スケートボード






スケートボーディング


スケートボード(Skateboard)とは、一枚の板に車輪が付いた乗り物(運動用具)である。単にスケート(Skate)と呼ばれる他、日本ではスケボーと略して呼ばれることもある。


スケートボードに乗ることはスケートボーディング(en:Skateboarding)。日本の愛好者間では「滑る」とも呼ぶ。スケートボードに乗る人間はスケートボーダー(Skateboarder)またはスケーター(Skater)[1]




目次






  • 1 概要


  • 2 スケートボーディングの種類


  • 3 歴史


    • 3.1 1960年代(第一世代)


    • 3.2 1970年代(第二世代)


    • 3.3 1980年代(第三世代)


    • 3.4 1990年代(第四世代)


    • 3.5 2000年代




  • 4 主なスケートボードトリック


  • 5 スケートボード用語


    • 5.1 各パーツ




  • 6 日本の道路上での扱い


  • 7 主な大会


  • 8 関連項目


  • 9 脚注


  • 10 外部リンク





概要




一般的なスケートボード


通常は四つの車輪を持つ一枚の板に足を固定せずに立って乗る。全長31インチ(約78cm)程度のものが一般的。


日本でのプロ認定や各種競技会(ストリート・スケートボード)は、スラローム世代の日本スケートボード協会(AJSA)が、フラットランドに関しては日本フラットランドスケートボード協会(JFSA)が執り行っている。



スケートボーディングの種類



ストリート(Street)/ パーク(Park)

ストリート(街中)に存在する斜面、縁石、手摺り等を技に利用する事から発展し、それらと同様の構造物を設置したスケートパークも作られる様になった。



フリースタイル(Freestyle)/ フラットランド(Flatland)

ボードに逆立ちする、ボードを横に倒して乗る、ボードを立てて乗るといった様々な技をフラットランド(平地)のみで行う。



バーチカル(Vertical)/ バート(Vert)

大型のハーフパイプ(バーチカルランプ)でジャンプ等を行う。



スラローム(Slalom)

一列に並べたパイロンを潜り抜けながら進んで行く。




歴史


用語については#スケートボード用語と#主なスケートボードトリックを。

スケートボーダーについてはプロスケートボーダー一覧を参照。



1960年代(第一世代)


ローラースケートを流用した木製四輪キックスケーターからハンドルを取ったものが原型と言われている[2]。その後カリフォルニアのサーファーが水を抜いたすり鉢状のプールで乗り始めた事から流行が本格化する。当時は「サイドウォークサーフボード」「ロックライダー」などと呼ばれていた。ウィール(車輪)の材質はゴム、鉄、プラスチック、粘土など。



1970年代(第二世代)




スラローム向け


それまでの単なるサーフィンの練習用のものから、グラスファイバーを使ったスラローム向けの小さめ(幅約15cm)の板と、合板を使ったランプ向けの大きめ(幅約25cm程)の板に分派した。ウィールはポリウレタンが一般化する。


プレイスタイルとしては、ボウルやハーフパイプを備えたスケートパークが建設され、様々な技が生み出される。パーク以外でもフラットランドスケートボーディングが発達する。1978年にはアラン・ゲレファンドがランプ(斜面)で手を使わずにボードを浮かせる技「ノーハンドエアリアル」を開発する。この技は彼のニックネームである「オーリー(Ollie)」の名で広まった。


またこの時代より、大きめの板の「裏側」に着目して飲料水メーカーなどのグラフィックが描かれる様になる。この裏面のグラフィックアートが、その世代の流行を反映しながら今日まで続いている。


有名なところではZ-Boysが世間に名を知らしめた時代である。



1980年代(第三世代)




アラン“オーリー”ゲレファンド




トニー・ホーク


トニー・ホークやクリスチャン・ホソイがバートランプで名を馳せた。
また、フラットランドで活躍したロドニー・ミューレンが平地でのオーリーを開発し、ストリートスタイルの発展に大きく貢献する。この頃から優秀なスケーターにはスポンサーがつき、シグネイチャー・モデルのスケートボードが登場する。また、バスケットシューズを発展させたスケートボード専用シューズが登場する。


この時代にはロックミュージックの一つスラッシュメタルが「スケートロック」とも呼ばれてスケーターに支持され、スケートボード裏面にはレコードジャケットのようなグラフィックが主に用いられた。


  • ボード

材質は楓の合板が一般化する。デッキ(表面)の縦にコンケーブ(凹み)、更に滑り止めとして、前足部及び後ろ足部に荒い紙やすり状のグリップテープが張られ、デッキ裏にはスライドをし易くする為のレールガードが付けられた。テール部にも角度(キックテール)がつけられた。また1970年代からもあった小技だが、オーリーの成功率をより高く、高さもより飛べるようにつま先を引っ掛ける為のU字型の簡易ドアノブをノーズに付けるのが流行した。

  • 競技

バートランプで発展したトリックがストリートでも用いられる。マーク・ゴンザレスがオーリーを駆使して様々な場所を攻め、スケートボーディング誌を華々しく飾った。[3]

  • 環境

1970年代から活発な活動をしていたZ-BOYSのトニー・アルバが設立した「アルバスケーツ」を筆頭に、スケートボードの宣伝が各社により活発になった。また本格的にスケートボードウェアーを開発するメーカーも現れた。「THRASHER」をはじめとするスケートボード専門誌が設立され、世界的にも広く普及し始めた。


1990年代(第四世代)




第4世代のボード。磨り減ったテールを除けば、形状と大きさは殆ど変わらない。


ヒールフリップ・スライド・マニュアルなどのプレイスタイルを主体とし、文字どおり街頭の建造物を使用したストリートスタイルが発展する。デッキ裏面には時代の流行音楽を反映し、ハードコアパンクやオルタナティブロック、ヒップホップ調のグラフィックがあしらわれた。また、有名企業の商標をパロディしたものも流行した。


  • ボード


デッキの寸法は(幅187.5×縦800mm (7.5"×32"))程に収斂されて行く。ボードを水平回転させるトリックが発達したため、どちらが前後になっても問題ないようにノーズとテールは同じ形になり、トリックの成功率を上げるためコンケーブも強めになる。トリックの多様化でボード全面を使う為、デッキ表側全面にテープが貼られる。ウィールの直径は50〜56mm。

逆にそういった主流からはずれ、サーファーやスノーボーダー向けに意図的なスライドやボードの傾斜を意識した特殊なボードも開発されてゆく(下記ギャラリー参照)。



  • 競技・環境

スケートボードの宣伝がさらに活発になり、ビデオマガジンが発売された。また、スケートボードやシューズのブランドがスポンサーとなり、プロスケートボーダー4〜6名のチームによる活動を始めた。[4]


2000年代


従来のスケートボードはストリートスタイル普及の結果、街頭の建造物がスケートボーダーにより破壊される問題が発生し、街頭でのスケートボーディングが一部制限される。代わりにストリートセッション中心の公共スケートパークが増え、パークスケートボーディングが発展した。



主なスケートボードトリック




オーリー




ボードスライド




ノーズグラインド


  • プッシュ(Push)

地面を蹴って進む、一番の基本。

  • チックタック、チクタク(Tick tack)

前輪を左右交互に振って進む。

  • フェイキー(Fakie)

後ろ向きに進む。

  • マニュアル(Manual)

前輪を浮かせるとテールマニュアル、後輪だとノーズマニュアル。

  • ボンレス(Boneless)

片手でボードを掴みながら片足で地面を蹴って飛ぶ。

  • オーリー(Ollie)

テールを蹴りながら人間がジャンプし、同時にノーズ側に足を擦りあげてボードを浮かせる。

  • キックフリップ(Kick flip)

オーリーをしながら爪先でデッキを横に蹴って回す。

  • ヒールフリップ(Heel flip)

オーリーをしながら踵でデッキを横に蹴って回す。

  • ハンドプラント(Hand plant)

ボードに乗ったままランプや地面に片手を着いて逆立ちする。

  • スライド(Slide)

デッキをセクションに当てて滑る技。ノーズスライド、ボードスライド、テールスライドなど。

  • グラインド(Grind)

トラックをセクションに当てて滑る技。50-50グラインド、5-0グラインド、Kグラインド、ノーズグラインドなど。前方はボード、後ろはトラックを掛けてグラインドするトリックもある。体重とボードの掛け方でスミスとフィーブルに分けられる。

  • インポッシブル(Impossible)

足にデッキを絡ませてデッキを回すトリック。フリースタイルのトリックだったものを、ロドニー・ミューレンがオーリーと複合させた。



スケートボードでは背中側に曲がる(または技をかける対象物が胸側にある)事をフロントサイド(F/S)、腹側に曲がる(または技をかける対象物が背側にある)ことをバックサイド(B/S)と呼称する。回転時の呼称に関してはサーフィンと逆である。ただし、スケートボードの場合、ランページのコーピングなど、対象物の高い位置での動きは、サーフィンのリッピングと同じ名称動きとなる。従って、サーフィンのトップターンを基準にして名称が付けられたと考えるのが妥当である。



スケートボード用語



  • ノーズ(Nose) - デッキ前方

  • テール(Tail) - デッキ後方

  • レギュラースタンス(Regular stance) - 左足が前になる乗り方

  • グーフィースタンス(Goofy stance) - 右足が前になる乗り方

  • スイッチ(Switch) - メインスタンスとは逆のスタンスで乗る乗り方



各パーツ




逆さにしたトラック。この状態での上部がハンガー下部がベースプレート




スケートボードなどに広く使われる608番ミニチュアベアリング



  • デッキ(Deck) - 足場となる板。カエデ合板が使われる。(主流な呼び方としてはカナディアンメープルや、メープルと言われる事が多い)

  • トラック(Truck) - デッキとの固定部分から車軸までを一まとめにした部品。左右に傾ける事で進行方向が変わる。


  • ウィール(Wheel) - 車輪。ポリウレタン製


  • ベアリング(Bearing) - ウィール内にはめ込む回転部品。ボールベアリング大きく分けて、オイルベアリングかグリスベアリングのどちらかを使う。

  • グリップテープ(Grip tape) - デッキ上面に貼る紙やすり状のすべり止め。

  • キングピン(Kingpin) - トラックのベースプレートとハンガーを固定するボルト。ナットの締め具合でトラックの動作量を調節する。

  • ブッシュ(Bush) - キングピンで挟むエラストマー。硬さによってトラックの動作量が変わる。

  • アクスル(Axle) - ウィールを通すシャフト。トラックのハンガーを当てる技名にも使われる。

  • アクスルナット - 外側のベアリングを留める為のナット。

  • ワッシャー- アクスルに通す円形状の部品。ナットとベアリングが直接触れないように両者の中間に入れる。ベアリングとスペーサーの間に入れることもある。

  • ベアリングスペーサー-ベアリングとベアリングの間に入れる筒状のパーツ


2つのベアリングの回転数を均一にする為に使う。(基本この部品は無くても可)



  • ビス - トラックをデッキに取り付ける際に使う部品。デッキの表面から差込、裏面でナットで留める。大別して六角タイプとプラスタイプがある。ボルトやハードウェアと呼ぶこともある。

  • ハンガー トラックの上半分。



日本の道路上での扱い




スケートボードは「ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為」として、「交通のひんぱんな道路」における使用が禁止されている。(道路交通法76条4項3号)「ひんぱん」の基準に関しては明確な基準はないが、凡そ他の歩行者や車両等との交通の危険が生じうる程度の交通量がある場所と解される。


実際に逮捕・検挙者も出ており、また車道をスケートボードで走行していて人身事故に遭う事例も出ている[5][6][7][8][9][10]



主な大会



  • エックスゲームズ

  • デューツアー

  • ストリートリーグ



関連項目



  • プロスケートボーダー一覧

  • スケートパーク


  • フィンガーボード (玩具) - スケートボードのミニチュア版。指で扱う。


  • フィラデルフィア - JFKプラザ(en:LOVE Park)やフィラデルフィア美術館など有数のストリートスポットを抱え、東海岸のスケートボーディングのメッカとなっていたが、景観破壊が進んだ為にスケートボードが全面禁止となった。これにボーダーが反発し、石膏で出来た「スケートの石碑」を、街中のあらゆるスケートスポットに置くなどの行動に出た[要出典]


  • ストリートボード - 旧スネークボード。デッキを三分割したスケートボード


  • フリーラインスケート - スネークボードの前後を分離し、ウィールを縦一列に並べたもの

  • キャスターボード


  • ロードコーン - オーリーの高さの指標として用いられる事が多い。立てた状態を飛べればオーリーをマスターしているといえる。


  • スケート - スケートボードの略称。ただし、日本ではアイススケートを指す場合が多い。


  • スケートサイクル - 2つの車輪が真ん中の軸で一個に繋がった手錠型スケートボード


  • 排除アート - スケートボードができないよう設置されることがある。



脚注




  1. ^ 年少のスケーターを指す「キッズスケーター」は和製英語。


  2. ^ 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にそのパロディがあり、時代こそ1955年となっているが、舞台はスケートボーディング発祥の地カリフォルニアである。


  3. ^ 特にカリフォルニアの一角には、ゴンザレスが特に攻め込んだ『ザ・ゴンズ』というポイントもあった。


  4. ^ 具体的には「FLIP」「ALIEN」「DC SHOE」など。


  5. ^ GATE スケートボード BLOG: 迷惑スケボー男を逮捕=駅前で乗り回し、苦情85件−大阪


  6. ^ 繁華街でスケボー、4人検挙 道交法違反容疑 大阪 朝日新聞 2013年8月31日


  7. ^ 朝日新聞デジタル:繁華街でスケボー、4人検挙 道交法違反容疑 大阪 – 社会 ソース アーカイブ


  8. ^ “車道でスケートボード 道交法違反で摘発 | レスポンス(Response.jp)” (日本語). レスポンス(Response.jp). https://response.jp/article/2006/08/15/84968.html 2018年11月11日閲覧。 


  9. ^ “車道でスケートボード 道交法違反で摘発 | レスポンス(Response.jp)” (日本語). レスポンス(Response.jp). https://response.jp/article/2006/08/15/84968.html 2018年11月11日閲覧。 


  10. ^ “車道をスケートボードで走行していた男性、ひき逃げされて重傷 | レスポンス(Response.jp)” (日本語). レスポンス(Response.jp). https://response.jp/article/2018/05/10/309519.html 2018年11月11日閲覧。 



外部リンク



  • GATE(スケートボードコンテスト)

  • AJSA(日本スケートボード協会)

  • JFSA(日本フラットランドスケートボード協会)

  • JSF(日本スケートボーディング連盟)

  • TRANSWORLDWEB SKATEboarding(スケートボード専門総合サイト)

  • COLORS MAGAZINE(総合WEBマガジン)












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