テレビゲーム
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テレビゲームは、主に一般消費者向けの「テレビゲーム機」によるコンピュータゲームを指す用語[1]。桝山寛によれば和製英語であり[2]、英語圏で"TV game"というとテレビのクイズ番組を指す。他に、「コンシューマーゲーム機」「家庭用ゲーム機」という語もある。
主に、テレビ受像機をディスプレイとして使うことからできた語である。また、業務用などのいわゆる「ビデオゲーム」を指してこの語を使っている例もある。
「コンシューマーゲーム」「家庭用ゲーム」という呼称の場合には含まれる携帯型ゲームを含まないという意のある据え置き型ゲームという語もある[3]。業界外の資料などでは、適切な用語の調査検討を怠っているのか、ゲームセンターに設置されたアーケードゲームやスマートデバイスなどのテレビを用いないゲームも含んで使っている例もある[4]。
ビデオゲームという用語は、テレビより広く一般の映像ディスプレイを利用することを指し、アーケードゲームの一部などを含む。またテレビゲーム機を指してビデオゲームという語が使われていた例もある。PCゲームなども含んで言うこともあるようである[5]。ファミコンはパッケージに「家庭用カセット式ビデオゲーム」と表記がある[6]。
目次
1 略歴
2 共通する特徴
3 今日のテレビゲーム
4 脚注
5 関連項目
6 外部リンク
略歴
家庭用テレビを表示機器として利用する電子ゲーム機器は、1970年代のLSI(大規模集積回路)の集積度向上などによって実現可能になり、「オデッセイ」をはじめいくつかの製品やキットなどがあった。いずれも、固定された1種類、または簡単な回路の切り替えなどによる多くても20種類弱程度のゲームが遊べる、といったもので、コントローラ等も専用のものが直結されていた。
遡ると、陰極線管(ブラウン管)を表示装置として利用したコンピュータゲームとしては、1950年代の真空管コンピュータであるEDSACで作られた「OXO」や、1957年の、オシロスコープの輝点でテニスをする「Tennis for Two」といった例がある。ただし、どちらも現代のディスプレイのようにラスター画像を表示するものとしてブラウン管を利用していたものではない。また後者は、電子式だがアナログコンピュータとリレーやキャパシタ等といった電子部品の組み合わせで作られていた。
その後、(ディジタル)コンピュータを使ったゲームとしては1960年代の「スペースウォー!」などに始まる流れが、ディジタルICによるゲームとしては、1972年にアタリからリリースされた『ポン』のヒットなどから始まる流れがある。
1970年代初頭に誕生した4004他に始まるマイクロプロセッサの機能と性能の向上が、「スペースウォー!」が作られたようなミニコンピュータに近づいた。
アーケードゲームでのマイクロプロセッサの利用は、「ウエスタンガン」のアメリカ版が最初だとされている( en:Gun Fight を参照)。そうしたゲームは、「スペースインベーダー」等のヒットにより広まった。
また、家庭にてテレビゲームで遊べる環境として、初期のパーソナルコンピュータや、Atari VCS、日本でのカセットビジョン・ファミリーコンピュータといった、本格的なコンピュータ・テレビゲーム機が誕生することになった。プログラムは、当初はロムカセットで供給され、CD-ROMにより光ディスクで供給されるタイプも後には増えた。ユーザーインタフェースとしては、汎用のコントローラが同梱というタイプが多く、特段の理由が無い限り、プラットフォームホルダがゲーム供給者に本体同梱の汎用のコントローラで必ず一通り遊べるように作ることを要求していることが多い。他に特定のゲームソフトに特化したコントローラやその他の周辺機器が外付けできるといった拡張性を持つようになった。
共通する特徴
初期のテレビゲームでは、映像をテレビに映すためにRF接続を利用した。これはテレビゲームが登場した当時、ビデオ端子などの外部映像・音声入力端子を持つテレビ受像機は普及していなかったためである。特にファミコン普及時には家電メーカー発売のカラーテレビはラインナップが非常に豊富であり画面が14型などの安価なテレビだと赤外線リモコンが搭載されてもビデオ端子は搭載されないといった廉価機も多く1980年代後半まではRF接続が一般的であった。アンテナ線との信号混信を防ぐ意図から、切り替えボックスを使用しての接続だった。音声もVHF信号に乗せられていた。
この接続方法はRCA端子に比べるとテレビ受像機の裏で既存配線と差し替えるなど接続がわずらわしく、なおも言えば幼児や児童には解りにくい部分でもあったため、当時は子供がゲームで夢中になって困る場合にはこの接続を(一種の罰として)外して禁止したなどの話も漏れ聞かれた。
このRF出力は、信号レベルがあまり高くないことから滲み・チラツキ・混信が起こりやすかった。1990年代からビデオ入力端子付きのテレビが普及してくると次第にテレビゲームもビデオ出力端子を持つようになったためRF出力は次第に使われなくなり、接続が容易で高画質・高音質を実現できるRCA端子が主流となった。しかし周辺機器によってRF出力をサポートしている機種は2000年代以降にも存在している。
以後2000年代後半に入るとテレビが高解像度のデジタルテレビとなると同時にデジタル接続のHDMI端子が普及し、テレビゲームもHDMI端子を搭載するようになった。
今日のテレビゲーム
家庭用ゲーム機[7]の特に規模の大きい市場を持つ地域は日本、北米(アメリカとカナダ)、欧州(特にドイツ、イギリス、フランス)であり、これらの地域が世界市場の中心になっている[8][9]。
世界市場のゲームソフトはパッケージ版からデジタル配信にシフトが進んでいる[10]。ダウンロードコンテンツ (DLC) や売切型から運用型への主流化が加速している[11][12]。
ネットワークプラットフォームの台頭[13]やスマートフォン・タブレットといったスマートデバイス用ゲームが増加した[14][15][16]。UGCやeスポーツ[17][18]、インディーズ[19][20][21][22]、クラウドファンディング[23][24][25]、「ゲームプレイを可能な限り削ったゲーム」[26]、隙間時間のソーシャルゲームや「プレイ時間ゼロのゲーム」(ゲーミフィケーション・ゲーム実況)も話題となった[27]。
VRやハイエンド志向のより優れた上位機種(アップグレード型)が登場している[28][29][30][31]。
脚注
^ “テレビゲーム とは - コトバンク”. 2014年8月4日閲覧。
^ 『テレビゲーム文化論』桝山寛 ISBN 4-06-149573-9
^ “コンシューマーゲーム機 とは - コトバンク”. 2014年8月4日閲覧。
^ “スマホを長時間使う子供ほど、なぜか学力テストの結果が悪かったとの報告書 文部科学省、全国の小6・中3全員調査”. 2014年10月24日閲覧。
^ “ビデオゲーム とは - コトバンク”. 2014年8月4日閲覧。
^ ファミリーコンピュータのパッケージより
^ “後藤弘茂のWeekly海外ニュース 今回の“次世代ゲーム機戦争”はここが違う”. 2014年10月24日閲覧。
^ “「JETROゲームビジネス海外展開セミナー:海外の主要ゲーム市場の現状と日本企業の展開事例」の聴講レポートを掲載”. 2014年10月24日閲覧。
^ “Top 100 Countries by Game Revenues”. 2014年10月24日閲覧。
^ “世界市場の約7割がデジタル配信──国内外のゲーム市場動向を調査した『ファミ通ゲーム白書2014』が発刊”. 2014年10月24日閲覧。
^ “【ひらブラ vol.38】導入判断を「いつやるか?」→「今でしょ!」”. 2014年10月24日閲覧。
^ “KADOKAWA・DWANGO ファミ通グループ代表の浜村弘一による講演“ゲーム産業の現状と展望<2014年秋季>”詳報(1/5)”. 2014年10月24日閲覧。
^ “百花繚乱の時代にヒットを仕込むポイントは!? ファミ通グループ代表の浜村弘一による講演“ゲーム産業の現状と展望<2014年春季>”詳報”. 2014年10月24日閲覧。
^ “エンターブレインの浜村弘一氏が講演“ゲーム産業の現状と展望<2013年春季>”. ファミ通. KADOKAWA/エンターブレイン (2013年4月22日). 2013年8月3日閲覧。
^ “アップルのイベントに任天堂の宮本茂氏がサプライズ登壇! iOSに『マリオ』が登場【速報】”. 2016年11月7日閲覧。
^ “PlayStationで培ったIPや経験を生かしたスマートフォン向けゲームが,2017年度に5~6タイトル登場。SIEの新会社・フォワードワークスに,その狙いを聞く”. 2016年11月7日閲覧。
^ “【連載】安藤・岩野の「これからこうなる!」 - 第11回「今後どんなゲームが売れるのか、全力で考えてみた」”. 2016年11月7日閲覧。
^ “SCE WWS吉田修平氏らがこれからのゲームとユーザーについて語る【gamescom2014】”. 2014年10月24日閲覧。
^ “小野憲史のゲーム時評 : 次世代ゲームの鍵を握る「インディーズ」”. 毎日新聞社 (2013年2月27日). 2013年8月3日閲覧。
^ “盛り上がりみせる自主制作ゲーム・・・関係者による合同座談会で今後の展望について聞いた”. イード (2013年10月22日). 2013年10月27日閲覧。
^ “「日本のインディーゲームは欧米のような注目を浴びるべき」 日本産インディーゲームを世界に紹介する“ビット・サミット”主催者を直撃!”. ファミ通. KADOKAWA/エンターブレイン (2013年3月1日). 2013年8月3日閲覧。
^ “「Branching Paths」試写会レポート、フランス人監督は日本のインディーゲームシーンをどう捉えたのか?”. 2016年11月7日閲覧。
^ “【完全図解】Kickstarterのススメ。なぜクラウドファンディングはゲームの未来を広げるのか”. 4Gamer.net. Aetas (2013年12月27日). 2013年12月28日閲覧。
^ “クラウドファンディングは,日本のゲーム業界の希望。稲船敬二氏に「Mighty No. 9」の開発や,若手クリエイター育成にかける思いを聞いた”. 2014年10月24日閲覧。
^ “Access Accepted第515回:投資が利益になり得る,新しいクラウドファンディング「Fig」”. 2016年11月7日閲覧。
^ “Access Accepted第406回:「海外ゲーム通」のゲーマーなら遊んでおきたい,2013年のタイトル10選”. 4Gamer.net. Aetas (2013年12月27日). 2013年12月28日閲覧。
^ “結局のところ「Minecraft」とは何だったのか? 数々の常識を打ち破ったモンスタータイトルが指し示す,ゲームのこれまでとこれから”. 4Gamer.net. Aetas (2013年12月27日). 2013年12月28日閲覧。
^ “【月間総括】ソニーのハードウェア戦略はゲーム業界にどう影響するのか”. 2016年11月7日閲覧。
^ “進化していくPlayStation 4とコンシューマ機のビジネスモデル”. 2016年11月7日閲覧。
^ “Access Accepted第500回:500回記念~勝手に予想するゲーム産業の未来”. 2016年11月7日閲覧。
^ “2017年に登場するProject Scorpioは、Xbox 360と互換性があるかも?”. 2016年11月7日閲覧。
関連項目
- CESA
- ESA
- ISFE
- JOGA
- IGDA
- DiGRA JAPAN
- JIGA
- 見本市
- TGS
- E3
- Gamescom
- Games Convention
- CEDEC
- GDC
外部リンク
- ゲームが人間に及ぼす影響論研究の現状について
- CLASSIC VIDEOGAME STATION:ODYSSEY 2001...
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