待避駅










台湾の太魯閣号(タロコ号)の待避


待避駅(たいひえき)とは、速達列車がより下位の種別の列車を追い越すための設備(待避設備)がある駅である。待避する列車が入線する副本線を待避線という。


単線での対向列車のすれ違いの場合は「待避」ではなく「交換」または「行違」と呼んで区別され、「交換駅(行違駅)」「行き違い施設」という。


なお、待避機能を持つ信号場も存在する。信号場の記事を参照されたい。




目次






  • 1 待避の種類


    • 1.1 接続追越


    • 1.2 通過追越




  • 2 待避駅の構造


    • 2.1 接続追越駅


    • 2.2 通過追越駅


    • 2.3 その他




  • 3 脚注


  • 4 関連項目





待避の種類


待避駅は特急・快速などの速達列車が運転されている路線の大半に設けられている。待避の種類には、接続して追い越す「接続追越」(「待ち合わせ」)と、通過して追い越す「通過追越」(「通過待ち」)の2つがある。



接続追越


追越す列車と追越される列車が同時に駅に停車し、互いに接続して追い越すこと。緩急接続相互接続とも呼ばれる[要出典]。主に在来線(大都市近郊に多い)で使われ、旅客向け案内として「待ち合わせ」や「連絡」と呼ばれることもある。


速達列車が停車しない駅から乗車し、待避駅で乗り継ぐことができる。双方の列車を同一ホームの対面に停車させる場合が多い。



通過追越


上位種別の列車が通過駅で普通列車を追い越すこと。通過待避緩急分離とも言う[要出典]。主に地下鉄や新幹線、有料特急列車の待避に使われ、旅客向け案内として「通過待ち」と呼ばれることもある。


東海道・山陽新幹線と北陸本線などで通過追越ダイヤを組む駅が多いが、専門的な鉄道知識を持たない一般客にとって「本線」「副本線」「待避線」「通過線」といった用語は馴染みが薄いため、便宜上、高速道路に例えて「追越車線」「走行車線」と紹介されることがある[要出典]


また通常は接続追越を行っている都市部の過密路線(特にJR以外の大手民鉄の路線)では、遠近分離や待避可能駅での相互発着の兼ね合いでラッシュ時のみ通過追越となっていることがある。



待避駅の構造




接続追越駅の構造(2面4線)




通過追越駅の構造(新幹線型)


待避線には通常プラットホームが設置されるが、貨物列車や回送列車用の待避線を設置する場合は、ホームが設けられない場合もある。



接続追越駅


複線で上下線ともに同一駅で向かい側に乗換可能な形の待避を行うためには原則的に島式ホーム2面4線以上の設備が必要である。用地に余裕が無い場合や運転本数の少ない路線では2面3線の待避駅も多く見られるが、2面3線や折り返し列車がある場合には乗客が別ホームでの乗り換えが必要な場合があり、待避線を上下で共用(この場合の待避線を特に中線という)する場合は上下列車が同時に待避できないなどの運用上の制約が発生する。鉄道評論家の川島令三は自著で、2面3線であり中線が両方向で使用可能な待避駅を「国鉄形配線」(および「JR形配線」)と呼んでいる。国鉄の待避駅でよく用いられた。建設費用を抑えることができるメリットがある。私鉄ではあまり見られない待避駅である。JR発足後、2面3線から2面4線への改良が行われた駅がある。


2面3線であっても中線を上下両方向のホームで挟み込むような構造で擬似的な2面4線とし、同一方向の列車に同一ホームで乗車できるようになっている駅もある(神戸市の阪急三宮駅や新開地駅(阪急・阪神乗り場)など)。ただし、あくまでも擬似的なものなので、運用上の制約は受けやすい。しかし、かつて東京都営地下鉄の岩本町駅で行われたように待避する列車が本線に停車し、速い列車が中線を走行することによって中線の占有時間を減らし、運用上の制約を軽減させることもできる。速い列車が停車・通過するための占有時間は、待避する列車が停車する占有時間よりも圧倒的に短いからである。



通過追越駅


通過待避においては、優等列車の通過線にホームを設置しない通過待避専用駅とすることにより建設費を安くできるが、列車ごとの乗継は不便になる。構造上は接続追越が可能な駅で行うことも多い。接続待避を前提に建設されたものの通過待避しか行われなくなった駅では、ホームの通過線側に柵やロープを設置していることもある。


新幹線の場合は駅における通過速度が高いため、利用客が列車が作る風に煽られないよう、多くの駅でホームが通過線に面さないように作られている。また、新幹線が通過する駅でも、地形上制約を受けて、新幹線がホームに面した線を通過する駅の場合、利用客が風の影響を受けない位置に安全柵を設けていて、車両の乗降時以外には入れないようになっている。


2面2線の新幹線型のほか、三島駅(東海道新幹線)や布施駅(近鉄大阪線・近鉄奈良線)などの1面2線(通過線が外側にある)もある。布施駅は一部の特急が停車する主要駅であるにもかかわらず、駅構造上の問題から急行系統においては列車密度が高くなるラッシュ時を中心に、当駅を通過する快速急行の運転を中心とすることで対処せざるを得ないという問題が生じる(詳細は布施駅#特徴の項を参照)。



その他


JR西日本のアーバンネットワークの兵庫県内の場合は、加古川駅や芦屋駅のように、新快速・普通列車相互の接続が主体であるが、須磨駅では快速と普通が接続する。JR神戸駅では1番線と新快速ホームとの連絡は階段を使う。JR三ノ宮駅でも新快速・普通の接続があるが、複々線のため追越は行わない。


京阪神地区では、待避駅において通過・接続待ちする列車は、車内保温のためドア横の開閉ボタンで乗り降りする。阪神でも普通列車新型車両5700系においても同様の措置が執られるようになった。



脚注





関連項目



  • 停車場#線名

  • ダイヤグラム





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