乗降人員
乗降人員(じょうこうじんいん)は、鉄道やバス、航空機などの公共交通機関において、各駅・空港・停留所等で乗降した人の数である。乗降客数や乗降者数とも呼ばれる。各所での乗車数である乗車人員と降車数である降車人員の和で表される。
なお、本記事では、利用人数を現すもう一つの数値である、通過人員(つうかじんいん)についても説明する。
目次
1 鉄道における例
1.1 乗車人員
1.2 降車人員
1.3 通過人員
2 関連項目
3 外部リンク
鉄道における例
基本的には、駅において改札を通過した人員、あるいは異なる鉄道事業者の路線へ乗り通した人員を表す。同じ事業者の路線、あるいは、列車相互での乗り換えは含まれない。そのため、直通運転を行う駅や、同一事業者の路線が集まる駅では、その駅を利用した人員と乗降人員の値は大きく異なる場合があり、その駅の重要性を示す数値としては向かない。
事業者によって数値公表が、乗車数のみの乗車人員と降車数も含む乗降人員で異なっており、両者を比較する際は注意が必要である。この場合、乗車人員の方を2倍にして乗降人員として比較する事もある。また、利用客数や利用者数などの表現の場合、その値が乗車人員か乗降人員であるか不明確であり注意が必要である。
乗車人員
乗車客数、乗客数とも呼ばれる。各駅で販売された乗車券の枚数を基に、片道乗車券は1枚、往復乗車券は2枚、回数券は使用可能枚数として集計され、定期乗車券(定期スイカやイコカ等、IC定期券等も含める)は、購入期間(月)×60枚(1日1往復×30日)として集計する。そのため、途中下車や定期券での内方乗車、フリーきっぷによる乗降などは集計されない。このため、いわゆる秘境駅のように利用客のほとんどがフリーきっぷによる乗車の場合、日時によっては駅構内に多数の乗客が存在するにもかかわらず乗車客数には反映されなくなる(小幌駅、宗太郎駅など)。
降車人員
降車客数、降客数とも呼ばれる。定期は乗車人員と同様に、定期外は着札調査によって乗駅から降駅ごとの着駅分布率を割り出して算出する。
通過人員
乗降人員はそれぞれの駅における利用人数を現すが、通過人員はある駅と隣の駅の間の利用人数を現し、これを繋げる事により、ある路線や区間の利用人数の変動を連続して捉える事が出来る。
路線による立地条件の違いで見た場合、例えばインターアーバン(都市間連絡鉄道)式の通過人員は、始発駅付近と終着駅付近が高く(始発駅より終着駅がやや低い)、両駅間の中間が一番低くなる。大都市圏の駅が始発駅側にしか無い鉄道(インターアーバンの様にはっきりした名称が確立されていないが、例えば「郊外鉄道」「遠距離各停形」等と呼ばれる)では始発駅付近がインターアーバンより高く、終着駅付近ではインターアーバンより遥かに低い数値を出すケースがほとんどである。
なお、ある程度規模の大きい他の路線に接続している乗換駅では、利用客のほとんどが終着駅まで乗車するのでなく、その乗換駅で一定量が降りるというケースが見られる。こうしたケースは乗降人員で見てみても、該当する乗換駅の乗降人員はかなり高いため識別可能である。だが通過人員では始発駅に向かって上がり続けて来たグラフが、乗換駅で大きくダウンするので(この型を「段落ち」と呼ぶ)より判り易い。例は多数あるが京成船橋駅、京急本線横浜駅、山陽明石駅などはよく知られている駅の一つである。
乗降人員は優等列車の停車駅の選定基準(この区間ではこの駅の乗降人員が多いから、急行をこの駅に停めよう)の一つとして、通過人員は急行や準急などの優等列車がどこから各駅停車にするか、あるいは区間運転の列車をどこから途中折り返しにするかの選定基準(この駅から向こうの区間では通過人員がかなり減るから、この駅から列車本数を減らそう)の一つとして使われる。
こうした乗降人員や通過人員は、例えば大都市近郊の私鉄では「鉄道ピクトリアル」などの雑誌の私鉄特集、または各社が発行している会社要覧(B6サイズが多い)で目にする事が出来る。
関連項目
- 旅客輸送
- 輸送人員
外部リンク
乗降人員 - 民鉄用語辞典(日本民営鉄道協会)