日本アイ・ビー・エム







































































日本アイ・ビー・エム株式会社
IBM Japan, Ltd.

IBM logo

IBM-Japan-Hakozaki-Facility.jpg
日本IBM本社(旧箱崎事業所)

種類
株式会社
略称
日本IBM
本社所在地
日本の旗 日本
103-8510
東京都中央区日本橋箱崎町19番21号
北緯35度40分43.2秒 東経139度47分13.1秒 / 北緯35.678667度 東経139.786972度 / 35.678667; 139.786972
設立
1937年6月17日
(日本ワットソン統計会計機械株式会社)
業種
電気機器
法人番号
1010001128061
事業内容
情報システムに関わるサービス、ソフトウェア、ハードウェア、ファイナンシングの提供
代表者
代表取締役社長執行役員 エリー・キーナン
資本金
1,353億円
売上高
減少8,875億(2016年度)
純利益
増加1,717億(2016年度)
従業員数
2009年以降非公開 (2008年12月31日時点で16,111人)
主要株主
有限会社アイ・ビー・エム・エイ・ピー・ホールディングス(100%)
関係する人物
水品浩(元社長)
椎名武雄(元社長)
北城恪太郎(元社長)
大歳卓麻(元社長)
橋本孝之(元社長)
マーティン・イェッター(元社長)
外部リンク
http://www.ibm.com/jp/ja/
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日本アイ・ビー・エム株式会社(にほんアイビーエム、日本IBM、英文表記:IBM Japan, Ltd.)は、米IBM(IBM Corporation)の日本法人。米IBMの100%子会社である有限会社アイ・ビー・エム・エーピー・ホールディングス(APH。後述のIBM APとは別の日本法人)の100%子会社であり、米IBMの孫会社にあたる。




目次






  • 1 概要


  • 2 主な事業


  • 3 沿革


    • 3.1 歴史


      • 3.1.1 第二次世界大戦前


      • 3.1.2 第二次世界大戦後


      • 3.1.3 21世紀




    • 3.2 歴史的プロジェクト




  • 4 業績の推移


  • 5 子会社・関連会社


    • 5.1 子会社


    • 5.2 関連会社


    • 5.3 合弁企業




  • 6 主な出身者


  • 7 事件・ニュースと訴訟


  • 8 その他


  • 9 スポンサー番組


  • 10 参照


  • 11 関連項目


  • 12 外部リンク





概要


日本IBMは外資系の100%子会社で、創立は戦前の1937年、多数の日本人従業員を抱え国内企業との合弁を含む多数の関連会社を展開している、コンピュータ関連サービス企業である。


戦後から1980年代まではコンピュータのハードウェアやソフトウェアのメーカーであった。当時の通産省が国産メーカー保護育成政策を取っていたことも背景に、日米コンピュータ戦争の当事者や、IBM産業スパイ事件の関係企業ともなった。


1975年からの椎名武雄社長時代には、「Sell IBM in Japan, sell Japan in IBM.」や「社会とともに」[1]を標語として、日本市場に合った製品・サービスの提供による日本の産業界への貢献を通じて「日本の企業」として認知されることを目標とした結果、規模の拡大が進み、社員は1万人、売上は1兆円を超え、最盛期には1兆7千億円を超える収益を達成した[2]


日本市場の特殊性もあり、世界のIBMグループの中でもユーザーのシステム構築に深く参加したケースが多かったことも特徴である。現在ではIBMは世界レベルでもサービス事業の比率が売上の6割となったが、そのベースとなった。SI(システムインテグレーション)事業は、日本IBMが先行していた分野とされる。


かつて日本IBMで開発された製品は世界で展開されていた(詳細は日本IBM大和事業所を参照)。外部との交流も多く、プロジェクトマネジメント学会で日本IBM社員が多数を占めていた[要出典]、日本IBM出身者が他の外資系企業の経営者となるケースが多かった[3]、などとも言われる。


大歳卓麻社長体制で21世紀に入って以降は、経営方針を一転した。


GIE[4]の実践として、日本法人の独立性・独自性を排し、役員・部長レベルの主要幹部職へ米IBMやアジアからの多数の駐在員(IBMでは「アサイニー」(assignee)とよぶ)や社外からの人材を登用し[5]、IBM Corporation全体としての組織・製品・サービスの最適化による効率(利益)の最大化を追求している[6]。具体的には、米IBMの「2015年通期でのEPS20ドル以上達成」[7]への貢献を最優先の経営目標としていたが、2001年以降12期連続の減収決算でピーク時のほぼ半分まで売上が減収し続けたため、利益確保のために、恒常的な事業売却とリストラや昇進・昇給の凍結、減俸[8]を含む徹底的なコスト削減努力を続けた[9][10]
2012年5月15日、同社として56年ぶりとなる2人目の外国人社長が就任した頃から、売り上げ減少には歯止めがかかった。(業績の数字については#業績の推移を参照)
2014年には、全国4カ所に支社を配置した。 [11]



主な事業




沿革



歴史



第二次世界大戦前





  • 1925年 - 森村組(現:森村商事)(森村グループ)がIBMの日本代理店権を獲得(最初のIBM統計機が日本陶器〈現:ノリタケカンパニーリミテド〉に設置された)


  • 1937年6月17日 - ベルギー人の Guy de la Chevalerie を代表取締役、渋沢智雄を社長として「日本ワットソン統計会計機械株式会社」設立[12]

  • 1942年 - 「敵国資産会社」の指定を受け、全資産を日本政府に凍結される



第二次世界大戦後




  • 1950年 - アメリカ人の C. M. Decker が社長に就任し、商号を「日本インターナショナル・ビジネス・マシーンズ株式会社」に変更


  • 1953年 - 南糀谷工場(東京都大田区、木造)を開設。パンチ・カード・システム(PCS)の製造。


  • 1956年 - 水品浩が社長就任


  • 1959年 - 商号を「日本アイ・ビー・エム株式会社」に変更


  • 1960年 - 千鳥町工場(大田区、鉄筋コンクリート製)を開設。PCS、IBM80欄カード、後にIBM 1440コンピューター、IBM System/360コンピューターなどの製造。


  • 1962年 - 稲垣早苗営業担当副社長が社長就任

  • 1964年4月 - 初の集積回路とOSを大々的に採用し、商業・科学計算両用のSystem/360コンピューター・シリーズを発表


  • 1967年 - 藤沢事業所(工場)(神奈川県)開設

  • 1969年 - ハードウェア価格から、ソフトウェア価格、教育価格などを分離(アンバンドリング)


  • 1971年 - 野洲事業所(工場)(滋賀県)、および、旧本社ビル(東京・六本木)開設


- 漢字情報システムを発表



  • 1972年 - 日本開発研究所を開設。後の藤沢開発研究所(1975年)、大和開発研究所(1985年)


  • 1973年9月15日 - 沖縄県那覇市にあった支店を廃止


  • 1975年2月 - 椎名武雄が社長就任


  • 1981年 - 世界で唯一の、半導体からメインフレームまでのコンピュータ一貫生産体制を野洲工場にて確立


  • 1982年 - IBMとしてアジア地域の最初の基礎研究所である東京基礎研究所(東京・三番町)開設


  • 1983年 - 日本語PC、文書処理、コンピューター端末機の機能「三役」を備えたマルチステーション5550を発売

  • 1984年 - 個人用パソコンIBM JXを発売開始。


- 大型コンピューター上で動く統合オフィスシステム(電子メール、スケジュール、文書処理・保管・検索)を発売開始。



  • 1985年 - 大和事業所(研究所)(神奈川県)開設。世界向けおよび日本/アジア太平洋向けの藤沢開発研究所を移転


  • 1987年

    • 4月24日 - 資本金を1,199億円から1,353億円に増資

    • 創立50周年
      • グループ社員への記念品: IBM JX



    • 日本IBM科学賞を設立




  • 1989年 - 椎名武雄が IBM Corporation の Vice President に就任(日本IBM社長と兼務)(1993年に退任)[13]


  • 1990年

    • 事実上のPCの国際標準規格となっていた米IBM PC/ATアーキテクチャ上に日本語機能を追加するDOS/Vを発売

    • 日本IBMにてアジア・太平洋地域における開発製造戦略を統括していた副社長の三井信雄が、IBM Corporation の Vice President に就任。後には IBM Corporation が次世代パーソナルシステムの開発と販売を行うために米国に設立した Power Personal Systems 社の社長に就任(1995年退職)




  • 1991年

    • IBMでは世界初のノートパソコンであり後のThinkpadシリーズの原型となる日本独自仕様(DOS/V)のPS/55 noteを発売

    • 5月 - セガの16ビットゲーム機「メガドライブ」とPC/AT互換パソコンの複合機『テラドライブ』を発売




  • 1992年7月1日 - コンピューター・システム・リース株式会社を合併


  • 1993年1月 - 北城恪太郎が社長就任


  • 1995年

    • 椎名武雄(当時会長)が経済同友会副代表幹事と、総理府行政改革委員会規制緩和小委員会座長に就任[14]

    • 国内売上高が初めて1兆円を突破(1兆197億1,200万円。輸出を含む総売上高は1兆3,087億3,400万円)[15]

    • 日本市場専用であったコンシュマー向けパーソナルコンピュータ製品のPS/Vを、全世界共通ブランドのAptivaとして一新

    • 7月、日本アイ・ビー・エム情報システム株式会社・アイ・ビー・エム流通サービスソリューション株式会社・アイ・ビー・エム金融ソリューション株式会社・アイ・ビー・エム公共ソリューション株式会社を合併




  • 1996年 - 東芝との共同出資子会社会社であった液晶ディスプレイ製造会社のディスプレイ・テクノロジー株式会社(DTI)を米IBM直轄に変更


  • 1998年 - 長野冬季オリンピックにおけるTOP4スポンサーとしてITシステムを提供


  • 1999年12月 - 大歳卓麻が社長就任。北城恪太郎は日本IBMの上部組織(当時)である IBM AP(現:IBM Asia Pacific Services Corporation)の President に就任(日本IBM会長と兼務)[16]



21世紀




  • 2001年

    • 総売上高1兆7,075億35百万円(うち国内売上高は1兆4,608億88百万円)、経常利益1,728億90百万円を、従業員数 21,671人(年度末)で達成。これは売上、利益とも日本IBMとしての過去最高の業績である(2012年現在)[17]

    • コンシュマー向けパーソナルコンピュータ市場から事実上撤退[18]


    • 台湾の奇美グループと合弁会社・インターナショナル ディスプレイ テクノロジー株式会社(IDTech)を設立し、液晶ディスプレイ開発部門を野洲事業所(工場)から移籍


    • セイコーエプソンと合弁会社野洲セミコンダクター株式会社(YSC)を設立し、半導体生産部門を野洲事業所(工場)から移籍

    • DTIを東芝に売却。東芝モバイルディスプレイ株式会社が発足[19]




  • 2002年 - 確定拠出年金制度を導入し、退職金制度を改訂[20]


  • 2003年

    • 北城恪太郎が経済同友会代表幹事に就任したため、IBM AP President を退任

    • 野洲事業所(工場)のプリント基板生産部門を京セラに売却、京セラSLCテクノロジー株式会社が発足


    • HDD事業(藤沢事業所〈工場〉)を会社分割法により日立に売却、株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズが発足




  • 2004年

    • 購買部門をIBM中国上海に移管[21]


    • 業績連動型の報酬体型に切替え、年功序列を全廃。また、一部の職場を除き裁量労働制を導入して実質的に残業手当の支給を停止[22]




  • 2005年

    • IDTechをソニーに売却[23]

    • 野洲事業所(工場)を京セラに売却[24]

    • パーソナルコンピューター事業を会社分割法により中国の聯想グループに売却、日本法人レノボ・ジャパン株式会社が発足

    • IBM Corporation が東京証券取引所の上場を廃止




  • 2006年 - YSCをオムロンへ売却[25]


  • 2007年

    • プリンター事業を会社分割法によりリコーに売却、インフォプリント・ソリューションズ・ジャパン株式会社が発足。後2011年に、リコープロダクションプリントソリューションズ・ジャパン株式会社へ統合

    • 7月 - 野洲事業所を閉鎖

    • 10月 - 日本IBMがIBM APの指揮命令下から離脱し、IBM Corporation(米本社)の直轄管理となる[26][27]

    • 創立70周年
      • グループ社員への記念品:ノリタケボーンチャイナ





  • 2008年

    • 100%子会社の日本アイ・ビー・エムロジスティクス株式会社(JBL)の全株を安田倉庫株式会社に売却、同社は安田倉庫の連結子会社として日本ビジネスロジスティクス株式会社に改名[28]

    • IBM翻訳の王様の営業活動を終了[29]




  • 2009年

    • 1月 - 橋本孝之が社長就任

    • 10月1日 - 東京都港区六本木三丁目2番12号の本社ビルを売却し、営業拠点であった東京都中央区日本橋箱崎町19番21号の箱崎事業所を本社とする[30]

    • 本社物流部門を会社分割法によりフランスの GEODIS S.A. に売却、日本法人 GEODIS GLOBAL SOLUTIONS JAPAN 株式会社が発足

    • 23年ぶりに総売上げが1兆円を割り込む[31]




  • 2010年


    • IBMホームページ・ビルダーの著作権・商標権をジャストシステムに売却[32]


    • IBMビジネスコンサルティングサービスを日本アイ・ビー・エム株式会社へ統合[33]


    • ソフトウェア事業のPLM事業部を、会社分割法によりダッソー・システムズ株式会社へ売却[34]

    • 年齢別最低保障給を廃止




  • 2011年

    • 4月 - 人事担当取締役専務執行役員の坪田國矢が、IBM Corporation の Vice President に就任[35]

    • 日本IBM科学賞を廃止[36]




  • 2012年


    • IBMホームページリーダーの営業活動を終了[37]


    • リテール・ストア・ソリューション事業(POSシステム関連事業)の東芝への売却が発表[38]

    • 5月 - マーティン・イェッターが社長就任。日本IBM56年ぶりの外国人社長となる

    • 100%子会社の日本アイビーエム総務サービス株式会社(IGAS)をジョーンズ・ラング・ラサール株式会社に売却[39]


    • 大和事業所を閉鎖




  • 2013年 - 相対評価で下位15%の約2,000名の社員に対する10% - 15%の定期減給を制度化[40]
    • 借り上げ社宅制度の廃止と住宅手当の本給への組み込み



  • 2014年

    • 前年9月の米IBMによる米シネックスへのコールセンター部門の売却に伴い、2,000名強の社員がコンセントリクスビジネスサービス株式会社[41]に移籍[42][43]

    • System x(x86サーバー)事業を会社分割法により中国の聯想グループに売却、日本法人レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ株式会社が発足[44]

    • 直営保養所を売却(利用は2015年1月で終了)




  • 2015年1月 - プロ野球選手与那嶺要の息子で日系三世のポール与那嶺が社長就任[45]


  • 2017年4月 - エリー・キーナンが社長就任



歴史的プロジェクト


日本IBMが参加したコンピュータ史上に残るプロジェクトには以下がある[46]



  • 1964年 - 東京オリンピックで、中央にIBM 1401・IBM 1440の二重システム、各会場にIBM 1050端末システムを置いた、オリンピック史上初の競技結果集計オンラインシステム

  • 1965年 - 三井銀行(現:三井住友銀行)による、世界初の銀行オンラインシステム

  • 1968年 - 八幡製鐵君津製鐵所(現:新日鐵住金君津製鐵所)による、世界初の鉄鋼業の生産管理オンラインシステムであるAOL [47][48]

  • 1971年 - 日本経済新聞および朝日新聞による、世界初の日本語対応の新聞製作システム[49][50]

  • 1998年 - 長野オリンピックでの、世界最大規模のWebサイト(合計ヒット数:6億4630万件(期間:2月7日 - 22日) 1分間当たりの最多ヒット記録:103,429ヒット/分)



業績の推移


戦後すぐの1952年の売上高は5億円(従業員は200人)で、おもにパンチ・カード・システムのリース収入であった。1960年には米国IBMが日本企業(富士通、日本電気など)にコンピューター関係特許使用を開示する代わりに日本IBMの国内コンピューター製造を認められて、System/360の寄与もあり急激に業績を伸ばし、1974年には売上高は2千億円(従業員1万人)で、日本企業の申告所得ランキングで上位20社に入る大企業になった。1987年には初めて売上高1兆円に達した。[51]


こうして1980年代までは毎年2桁成長をしてきた日本IBMは日本コンピュータ企業の追い上げとダウンサイジングの影響もあり、1991年には売上成長もマイナスに転じ、1993年にはリストラ費用も含めて初めての赤字、翌年からは業績の回復を経験している。最近の業績は次の通り。















































































































































年度 総売上高 経常利益 税引後純利益 会社発表
1998
1兆4740億9500万円
901億100万円


1999
1兆4770億8200万円
1190億4300万円


2000
1兆6438億2800万円
1820億300万円


2001
1兆7075億3500万円
1728億9000万円


2002
1兆5834億3400万円
1665億9400万円


2003
1兆4979億8200万円
1498億9500万円


2004
1兆4609億2100万円
1511億9400万円


2005
1兆2453億4300万円
1155億4700万円


2006
1兆1932億8700万円
1390億4300万円


2007
1兆1926億1100万円
1540億4800万円


2008
1兆1329億3200万円
1543億3100万円
967億9700万円

2009
9545億6800万円
1128億1300万円
730億5900万円

2010
9377億7300万円
1242億7200万円
773億1600万円

2011
8681億3400万円
940億2600万円
272億7400万円
[52]
2012
8499億3400万円
942億6000万円
422億0900万円

2013
8804億6400万円
973億1700万円
565億7900万円

2014
8810億3400万円
947億3300万円
625億2400万円

2015
9018億6300万円

494億4600万円

2016
8875億円
868億円
1717億円



子会社・関連会社




主な出身者




事件・ニュースと訴訟






















































































事件・ニュースと訴訟
ニュース 事件・訴訟 (日本IBMが当事者の案件。米IBMを当事者とする事案は除く)
1999年



  • 1999年、名古屋事業所から幕張事業所への転配を打診された社員が、配転命令の効力を停止する仮処分を申請した。2000年に和解が成立し、幕張へ転配となる[56]

2001年


  • 2001年、社長の大歳卓麻が雑誌のインタビューに答えて、人事制度における一連のコスト削減施策に関して「人事制度改革で日本の毒味役になる」「我々が毒味してみて、大丈夫そうだとなれば、日本の会社のみなさんもやりやすいんじゃないか」と発言[57]


2004年



  • 2004年1月11日、東京三菱銀行や八十二銀行など約20行で、日本IBM製対外接続用ミドルウェアのバグにより取引がキャンセルされる障害が発生[58]

  • 2004年1月26日、統合ATMスイッチングサービスにおいて、日本IBMが担当した「接続ソフト」の不具合により取引遅延などの障害が発生[59]



2005年


  • 2005年、ハードウエア取引の会計処理における日本IBMによるIBM社内規定の違反により、米IBMが2004年の連結決算内容を下方修正し、売上げと利益を通年で2億6000万ドル減額[60]


2006年


  • 2006年、会計検査院による独立行政法人情報通信研究機構に対する検査で、日本IBMが同機構からの委託研究2件に関し実際には従事していない研究員の労働時間を含め人件費を請求していたと指摘された。日本IBMは受け取った研究費の全額に利息を加えて返還した上、3年間同機構の案件への応募を自粛した[61]


2007年


  • 2007年2月、 株式会社アイ・エックス・アイの架空循環取引による粉飾決算に関して、大阪地方検察庁特別捜査部の強制捜査を受ける[62]




  • 2007年2月、ソフト開発会社のデジタルデザイン社が、日本IBMおよびネットマークス社に対し、12億円の損害賠償請求訴訟を起こしたが、2008年7月には和解が成立した[63]

  • 2007年3月、東京リース株式会社が、販売代金153億4100万円の債務履行と遅延利息の支払いを求め、日本IBMなど4社を東京地裁に提訴[64]

  • 2007年4月、ソースネクスト社が、日本IBMに対し、ホームページ・ビルダーのライセンス供与に関して契約違反として提訴した。2007年には日本IBMが、ソースネクストに対し、損害賠償請求反訴を起こした。これらは2008年7月に一部和解が成立した[65][66]

  • 2007年5月、元社員らが2002年発表の株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズ設立時の会社分割による強制移籍に関して地位確認などを求めた訴訟で、横浜地裁が元社員らの請求を棄却した[67][68]


2008年



  • 2008年、神奈川県教育委員会から受託していた授業料徴収システム開発関連の個人情報が、下請社員のP2Pソフトウェアにより漏洩[69][70][71]

  • 2008年6月、日本IBMが主契約社であった七十七銀行のシステム開発案件の開発費用超過により、下請けであった株式会社ジェー・シー・イーが債務超過に陥り、仙台地裁で民事再生手続を開始、日本IBMに対して損害賠償請求を検討中と報道される[72]

  • 2008年の大規模リストラ - 2008年10月から12月にかけて、全社員を5段階に分類し、下から2番目までの下位15%の従業員、数にして1,500人を3カ月で退職させるという大規模な退職勧奨(事実上のリストラ)が行われた[73][74][75]。日本IBMではそれまでにもリストラを必要に応じて行っていたが、2008年の場合は世界的金融危機が迫り雇用不安が拡大する中でも前年と同様の高利益を確保している会社の、正社員への大規模リストラであったため世間の注目を集めた。その中では、上司による威嚇行為や人格否定、誹謗中傷などの人権侵害を伴う「退職強要」があったとし、社員らが人権侵害を伴う退職強要の差し止めと損害賠償を求めて提訴したり[76]、日本IBMの労働組合(JMIU日本アイビーエム支部)は、会社側が「48時間以内に退職を表明しないと解雇する」と宣告したケース、社員の家族に「ご主人を辞めさせてください」と電話してきたケースなどの存在を主張して抗議し、マスコミでも報じられた[77][78]




  • 2008年3月6日、スルガ銀行が、日本IBMに対し、「日本IBMの債務不履行によりシステムが完成せず開発を中止せざるを得なくなった」として111億700万円の損害賠償訴訟を起こした。スルガ銀行側は裁判の訴状で「日本IBM側がプロジェクトにおいて、要件定義を3回繰り返す事態に陥っていた」と主張している [79][80]。これに対して日本IBM側は、4月7日の答弁書で「失敗の責任はスルガ銀にある」とし、スルガ銀行側が主張している請負契約の締結自体も否認している [81]。また「要件定義の繰り返しの原因は、銀行側からの現行システム情報や要件の提示内容がプロジェクト前後で比較して大きく膨れ上がり、かつ期間中に二転三転を繰り返したため」と主張していた。[82][83][84]。2012年3月29日、東京地方裁判所はスルガ銀行の訴えを認め、日本IBMに約74億1千万円の支払いを命じると伴に仮執行も認めた[85]。日本IBMは上告し、2013年9月、東京高等裁判所は、日本IBMの義務違反は最終合意書を交わした段階のものとして、賠償額を約42億円に減額する判決を下した。これを受けて両社は最高裁に上告したが[86]、最高裁判所は2015年(平成27年)7月8日、両社の上告を棄却する決定を下し、東京高裁の判決が確定判決となり、日本IBMが敗訴した[87]

2009年


  • 2009年9月、福岡銀行で前年2008年に発生した、ソフトウェアシステムのバージョンアップ後のIMS(データベース管理システム)の不具合が原因によるシステム障害[88]に続いて、今度は日本IBM保守要員の作業ミスが原因で勘定系システムの障害が発生し、福岡銀行が日本IBMに対して損害賠償を検討中と報道される[89]




  • 2009年5月、株式会社エコミックが日本IBMに発注した給与計算システム開発のプロジェクト中止は、日本IBMの債務不履行であるとして係争中と報道される[90]

  • 2009年5月29日、社員3名(10月に1名追加)が日本IBMに対し、「退職を強要された」として、差し止めと損害賠償を求めて訴訟を起こした[91][92][93]


2010年



  • 2010年3月、ニイウス コー株式会社の粉飾決算事件に関して、証券取引等監視委員会の強制調査を受ける[94][95]同月末には、同社の社員が循環取引に関与していたことが判明したとの報道がなされた[96]

  • 2010年、雑誌「プレジデント」誌5/3号の特集「働きがい」で、 IT業界部門の働きがいワースト企業とされる


(なお、2000年代初頭までは、大学生が就職を希望する企業に関する各種調査において上位にランクされていた[97]


  • 2010年7月12日から13日にかけて日本郵政グループゆうちょ銀行の郵便貯金システムにおいて発生した民営化後最大のシステム障害は、IBM製磁気ディスク装置の制御プログラムのバグによる(正確にはHDDの欠陥と呼ぶのは不適切)ものとして、ゆうちょ銀がIBMへの損害賠償請求を検討中と報道される[98]

  • 2010年10月、神奈川県警のシステム開発に関する2003年の議事録が、インターネットに流出していることが発覚した。県警は、システム開発を委託した日本IBMの下請社員がP2Pソフトウェアで漏洩させたとして、日本IBMに削除の対応を要請したと報道される[99]

  • 2010年、大阪府吹田市において、基幹システムに関する日本IBMの契約不履行により7億3558万円の契約が解除され、減額の予算補正が実施された[100]

  • 2010年12月、ハードウェア販売の総責任者である専務執行役員が、「日本企業には、3~4世代前のテクノロジが数多く生き残っている。欧米企業であれば、せいぜい2世代前のテクノロジが残っている程度だ」「他国では、まず新製品を使ってみる」と日本企業の購買態度について発言[101]



  • 2010年3月18日、東京国税局の税務調査により、国税史上最高規模の4000億円を超える申告漏れが発覚し、三百数十億円の追徴税を課された、との報道がなされた[102]。これは、非上場である日本IBM株を、米IBM、日本IBMの親会社であるアイ・ビー・エム・エイ・ピー・ホールディングス(APH)、日本IBMの間で循環取引することにより、見かけ上APHに多額の赤字を発生させて連結対象の日本IBMの巨額の利益と相殺することで納税を回避したとされたものだが、日本IBMは、あくまでも法規は遵守していると主張し、国税不服審判所に審査請求をした[103][104]。2013年5月9日、東京地裁はIBM側の主張を認め、処分を取り消した[105]。これを受けて国は上級審に控訴した[106]。なお当事件後の税制改正において、100%子会社に子会社株を安価で売却して赤字を計上することが禁じられたため、現在では違法行為にあたる[107]

2011年


  • 2011年2月、社長の橋本孝之が、日本IBMとして初めて役員を含む部長以上の職位のスタッフを50名以上中途で大量採用したと発表[108]


2012年



  • 2012年10月、2011年に発生したオリンパス事件に関して、日本IBMのコンサルタントの関与があったと報道される[109]

  • 2012年11月13日、衆議院予算委員会で日本IBMの「ロックアウト解雇」に関する日本国政府の見解を質問された内閣総理大臣野田佳彦が、「もしそういうことがあるならば、それはあってはならない」と答弁[110]




  • 2012年8月、最高顧問の大歳卓麻が、一身上の都合による退職直前に、東京都迷惑防止条例違反容疑により警視庁により取り調べを受け、退職後に東京簡裁より罰金30万円の略式命令を受けたと報道される[111][112]

  • 2012年10月15日、ロックアウト型の即時解雇をされたとして、元社員3人が解雇の無効と賃金の支払いを求めて訴訟を起こした[113]


2013年



  • 2013年5月27日、2008年4月から2009年4月にかけて売掛金約1億3000万円を横領したとして、IBMビジネスコンサルティングサービスの元社員が、業務上横領容疑で逮捕された[114]

  • 2013年6月20日、元社員と2名の社員が、元社員の解雇は労働組合員をねらった不当な解雇にあたるとして東京地裁に提訴[115]

  • 2013年9月26日、相対評価による低評価の為に減給された労働組合員9人が、減給は不当であるとして東京地裁に提訴[116]

  • 2013年11月、野村ホールディングスおよび野村證券が、委託したラップ口座システムの開発が頓挫した責任が日本IBMにあるとして、損害約33億円の賠償を求めて東京地裁に提訴[117]


2014年



  • 2014年5月9日、グループ内の株取引を巡り、約3995億円の申告漏れを指摘された「日本IBM」(東京都中央区)グループが、国を相手に1197億円の課税処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は9日、グループ側の主張を全面的に認め、処分を取り消した。判決が確定すれば、1197億円に還付加算金などを加えた額がIBM側に返還される[118]

2015年


  • 2015年3月25日、東京国税局から約3995億円の申告漏れを指摘された日本IBMの持ち株会社が、課税処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(山田俊雄裁判長)は25日、「不当に納税額を減らしたとは言えない」として国側の控訴を棄却した。約1197億円の課税を取り消し、IBM側の勝訴とした一審・東京地裁の判断を維持し、二審も全面勝訴とした[119]

2017年



  • 2017年6月14日、3人の女性のYahoo!のアカウントに不正にアクセスしたとして、50歳の社員が、不正アクセス禁止法違反容疑不正アクセス禁止法違反容疑で、神奈川県警サイバー犯罪対策課に逮捕された[120]

  • 2017年6月28日、業績が低いとして賃金を10~15%減額したのは違法であるとして日本IBMを提訴していた社員17人が、賃金水準を元に戻し減額されていた未払い分を会社が支払うという内容で和解した[121]




その他



  • マニュアル等で独特の用語(本社の用語に準じるため)や訳語を使うことがある

    • 「ディスケット」 - フロッピーディスクの事。ディスケットはIBMの商標であるため。

    • 「DASD」 - Direct Access Storage Deviceの略で「ダスド」と発音される。磁気ディスク装置(ハードディスク)の事。DASDは本来は直接アクセス方式の補助記憶装置全般を指す用語だが、現在では磁気ディスク装置と事実上の同義語となった。主にメインフレームで使われる。

    • 「Fixed disk」(固定ディスク) - これもハードディスクの事。本来はディスクが取り外し・交換できるディスクドライブ装置に対し、できないものを指す語。


    • 1980年代までは、キーボードを「鍵盤」、ディスプレイを「表示装置」、プリンターを「印刷装置」と訳していた。これらは当時の現地化・日本語化の推進による


    • OS/2(バージョン2までの日本語版)では、電源オフ(シャットダウン)を「遮断」と訳していた



  • かつて存在した大和工場・野洲工場には硬式野球部を有していた。野洲硬式野球部は、アメリカンフットボール部とラグビー部とともに、1989年に強化スポーツ部に指定されたが、野洲硬式野球部は2003年に廃部、ラグビー部は2009年に指定解除されている。

  • IBMが「巨人」と呼ばれていた頃には、日経BPより「日経ウオッチャーIBM版」というIBMの動向だけに焦点を当てた定期刊行物が発行されていた(1996年休刊)[122]

  • 20世紀にはコンシュマー向けのビジネスをしていたこともあって、檀ふみ、渥美清、森進一、森繁久彌、太宰久雄、糸井重里、藤田元司、田中美奈子、りょう、山口智子、所ジョージ、中谷美紀、香取慎吾、米倉涼子などを起用した日本独自の宣伝活動をしていたが、近年は全世界共通の宣伝キャンペーンを展開している

  • 2000年代初頭までは、大学生が就職を希望する企業に関する各種調査において上位にランクされていた[123]



スポンサー番組


現在



  • 未来世紀ジパング(テレビ東京)

※系列局がない宮城県や新潟県、静岡県、広島県、熊本県において、別番組にも提供している。


過去




  • JNN報道特集(TBS)


  • 報道2001(フジテレビ)


  • 報道ステーション(テレビ朝日、水曜日)


  • 知ってるつもり!?(日本テレビ)


  • 情報ライブ EZ!TV(フジテレビ、関西テレビ)


  • NNNきょうの出来事(日本テレビ)


  • NEWS ZERO(日本テレビ)


  • 真相報道バンキシャ!(日本テレビ)


  • 木曜洋画劇場(テレビ東京)


  • たけしの誰でもピカソ(テレビ東京)



参照


[ヘルプ]




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  2. ^ 日本IBM 70周年 椎名武雄 特別寄稿 (日本IBM)


  3. ^ 富士通経営執行役の相次ぐ退社の波紋 落ち目のIBMに代わり流出の宝庫に? (ITpro)


  4. ^ 知っておきたいIT経営用語-GIEとは (ITpro)


  5. ^ IBM ポール与那嶺略歴


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  14. ^ 日本IBMトピックス (日本IBM)


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  22. ^ 幹部社員に有期雇用制 (日本経済新聞)


  23. ^ モバイル向け低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイパネルの第2製造拠点としてソニーがIDTech野洲事業所を買収 (ソニー)


  24. ^ 半導体から本体まで世界唯一の一貫生産 日本IBMが「栄光の野洲」を京セラに売却 (IT Pro)


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  26. ^ 米IBMが日本を初の直轄管理に、売上減の日本市場をテコ入れ (IT pro)


  27. ^ 業績不振の日本IBMに支社への格下げ論が再燃【情報カプセル】 (選択)


  28. ^ 日本アイ・ビー・エムロジスティクス株式会社の取得(子会社化)に関するお知らせ (安田倉庫)


  29. ^ 翻訳の王様について


  30. ^ 本社移転のお知らせ (日本IBM)


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  32. ^ ジャストシステムがIBMから「ホームページ・ビルダー」のプログラム著作権と商標権を取得 (日本IBM)


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  35. ^ 役員人事のお知らせ(日本IBM)


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  37. ^ ホームページ・リーダー Windows版 Ver3.04


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  53. ^ 同業他社(四国新聞社・愛媛新聞社・高知新聞社の各3社との相乗り合弁)


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  114. ^ 俳優雇い偽装工作、着服の元IBM関連会社幹部(読売新聞)


  115. ^ 日本IBMを元社員らが提訴「組合員ねらった不当解雇」(朝日新聞)


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  118. ^ 課税処分 IBM側が勝訴、納め過ぎ1197億円取り消し (毎日新聞)


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  123. ^ 過去30年の就職人気企業ランキング




関連項目



  • IBM

  • 日本IBM箱崎事業所

  • 日本IBM大和事業所

  • 日本IBM野洲事業所

  • 六本木ティーキューブ

  • 日本IBM科学賞


  • 日本アイ・ビー・エム野洲硬式野球部 - 日本IBMの都市対抗・日本選手権野球チーム


  • IBMビッグブルー - 日本IBMのXリーグアメリカンフットボールチーム


  • 日本IBMビッグブルー - 日本IBMのラグビーチーム


  • 佐藤茂樹(衆議院議員、元社員)


  • 山本博司(参議院議員、元社員)


  • レノボ - IBMのPC部門と統合。


  • 碁聖戦 - 協賛していた。レノボが引き継いでいる。



外部リンク



  • IBM ユーザー研究会

  • 愛徳会 IBMビジネスパートナーコミュニティ


  • ユーオスグループ - IBMマーケットビジネスに携わるIT関連企業の集団


  • ビジネス・アライアンス・コンソーシアム - IBMのテクノロジーをベースとしたソリューションを持つ企業群

  • 日本IBM


  • JMIU 日本アイビーエム支部 - 日本IBMの労働組合


  • 親鴨会 - 日本アイ・ビー・エムの定年退職者を中心とするOB会


  • BBJ:IBM DNA ネットワーク - IBMを中途退社した仲間を中心とするOB会


  • GBOB会 IBMのゼネラルビジネス、GBと呼ばれた組織のOB会







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