中国文明






「チャイナ (china)」という磁器。欧米文化圏では中国文明を代表するものとして認識されている




中国の皇帝出巡を描いた絵図




「鹤梅松」という清王朝の時の水墨画、北京故宮博物館所属




武則天、中国史上初で唯一の女性皇帝


中国文明(ちゅうごくぶんめい)は、中国大陸における文明・文化などの総称である。中華文明(ちゅうかぶんめい)あるいは中華文化(ちゅうかぶんか)とも。世界最古の文明の一つであり、東アジアにおける中心文化でもある。歴史的には同文化圏内で広大な地域や人口を保有し、各地の文化は四千年もの発展を経て、「共通性を持ちながらも、鮮明な地方特色を帯びている」という中国独自な特徴になった。そして、中国大陸だけでは限らず、台湾・香港・マカオ・シンガポール等の中華圏や、日本・韓国・ベトナム・モンゴル等の漢字文化圏の国々にもかなり重要な影響を与えた。




目次






  • 1 概要


    • 1.1 黄河・長江・遼河の文明




  • 2 地域・民族


  • 3 言語


  • 4 文化


    • 4.1 思想


    • 4.2 科学技術




  • 5 政治制度


  • 6 文学・史書


  • 7 自然・動物


  • 8 服装


  • 9 建築・彫刻


  • 10 美術工芸


  • 11 琴棋書画


  • 12 武術


  • 13 その他


  • 14 ギャラリー


  • 15 脚注


  • 16 関連項目


  • 17 外部リンク





概要



黄河・長江・遼河の文明


大きくは黄河文明、長江文明、北方・東北地方の草原文明である遼河文明の三つの文明が融合したものである。


伝統的な見方によれば、まず黄河流域で粟を主作物とする農業文明が興り、これが自然および地理的な要素の影響を受け、次第に水稲を主作物とする長江流域へと移行、発展していった。長江文明は黄河流域の農業文明を継承、発展した物と思われていた。また、北方草原遊牧民族と黄河流域の農業民族は土地をめぐり絶え間なく争い続け、この過程で遊牧文明と農業文明が直接的な交流、融合を得続けた。


しかしながら三星堆遺跡の発見後、長江文明は黄河流域文明の継承と発展の結果である”という伝統的な見方には疑問が持たれ始めている。中国文明の起源は黄河流域だけではなく、もっとほかに多くの文明がかかわっている可能性が高い。


近年は始祖の民族のひとつである華夏族の研究から華夏文明としても研究されている[1]



地域・民族




九龍の壁。中華皇帝の権力を象徴するシンボル


中国文明はおおまか次の地域に分けられる。主体民族である漢民族(華夏族)に加えて、チベット民族、モンゴル民族、ウイグル、満州民族、朝鮮民族などの民族がそれぞれの特色を持つ地域文化を作り上げている。




  1. 中原、華北および陝西の黄河流域


  2. 四川、重慶一帯の長江上流


  3. 湖南、湖北および江西一帯の長江中流


  4. 安徽、浙江、江蘇一帯の長江下流


  5. 東北地域


  6. 内蒙古地域


  7. 新疆地域


  8. 西蔵、青海および四川西部のチベット地域


  9. 華南および南華東の越文化地域



言語




中国の赤提灯




中国の書道。日本の書道に絶大な影響を与えた




  • 漢語


  • 官話

    • 北方話

    • 東北話

    • 江淮官話

    • 中原官話

    • 西南官話



  • 湘語

  • 呉語

  • 粤語

  • 贛語

  • 客家語


  • 閩語

    • 閩南語

    • 閩北語




文字

漢字によって漢字文化圏を形成した。




  • 漢字

    • 甲骨文

    • 金文



  • 西夏文字

  • 契丹文字

  • 女真文字

  • 満州文字



文化




楽山大仏という世界最大の仏像。山の全体を使って造られたものという




竹簡に彫刻した「孫子の兵法」



思想


中国神話では盤古、女媧、三皇五帝などがある。


宇宙観・天文学では陰陽思想と五行思想(陰陽五行思想)、 易経の八卦、中国暦(農暦)、二十八宿、天干地支を参照。


思想・学問には、諸子百家がある。




  • 儒家(孔子、孟子、荀子)、のち儒教となる。教典は四書五経。


  • 道家(老子、荘子の老荘思想)


  • 墨家(墨子)


  • 法家(韓非子、商鞅)


このうち後世に注釈を経て発展したものとして朱子学(宋)、陽明学(明)、考証学(清)がある。



  • 程朱理学

  • 陽明学

  • 孔子学院

  • 八股文


宗教

中国では道教、儒教、仏教を三教とする。道教には神仙思想もある。


  • 祖霊信仰


科学技術



ジョゼフ・ニーダムは中国文明における造紙術、 印刷術、羅針盤、火薬の発明を四大発明とした。


数学の分野では周髀算経(前漢)、九章算術、祖沖之、算盤を参照。


農学では斉民要術、天工開物、夢渓筆談。
医学は伝統中国医学を参照。本草綱目、黄帝内経も参照。



政治制度





漢民族の漢服を着てる明の皇帝





満洲族の満洲服を着てる清の皇帝



世界観としては中国文明を「世界の中心=中華・中国」とし、周辺地域を辺境とする中華思想がある。華夷秩序ともよばれる。



  • 易姓革命

  • 禅譲制

  • 放伐


  • 皇帝 - 王 - 覇者

  • 宦官

  • 冊封体制

  • 礼楽制度

  • 科挙制

  • 浸透王朝

  • 征服王朝

  • 中華思想

  • 天子守国門、君主死社稷


  • 三民主義(中華民国(現在の台湾)の建国思想。

  • 驅除韃虜、恢復中華


  • 共産主義(中華人民共和国の建国思想。毛沢東など)


  • 開発独裁(改革開放思想。鄧小平など)



文学・史書





  • 史書には史記、漢書、三国志、唐書、宋史、元史、明史、清史、四庫全書がある。


  • 兵法書には孫子、呉子、尉繚子、六韜、孫臏兵法がある。



  • 中国の寓話

    • 山海経

    • 狐假虎威

    • 掩耳盜鈴

    • 東施效顰




  • 小説には紅楼夢、西遊記、三国演義、水滸伝、老残遊記、閲微草堂筆記、肉蒲団、金瓶梅がある。


  • 詩歌には漢賦、楽府詩、唐詩、唐伝奇、宋詞、宋詩、元曲がある。


  • 戯曲には京劇、崑劇、滬劇、湘劇、黄梅戲、双簧、相声がある。




自然・動物




ジャイアントパンダ



  • 五大山として五嶽がある。


  • 熊猫(パンダ)、獅子


神話上の動物には龍、鳳凰、麒麟、朱雀、玄武、白虎がある。



服装



  • 漢服

  • チャイナドレス


服飾は夏朝から明朝・現代まで復興できたの漢服や、清朝の剃髮易服から中華民国にかけてのチャイナドレスがある。



建築・彫刻




「牌坊」という中国式の鳥居・門のような建物



  • 四合院

  • 牌坊

  • 中国庭園

  • 四大名楼


  • 寺院 - 十大名寺


  • 宮殿 - 故宮、瀋陽故宮、阿房宮、大明宮

  • 仏塔

  • 万里長城


  • 墓葬建築

    • 明十三陵

    • 始皇帝陵




  • 運河(京杭運河、霊渠)


雕刻は八大名窟、敦煌石窟、千仏洞など。



美術工芸




古箏という中国の楽器。日本の箏の原型に考えている



工芸には青銅器・漆器・陶器・磁器・玉器・金器・銀器・灯籠・屏風・彫漆がある。



琴棋書画



文士は「琴棋書画」と称して、琴・将棋・書道・絵画の四芸を嗜むとされた。


楽器には古筝・古琴・琵琶・洞簫・方響・箜篌・二胡・揚琴・編鐘・笙・竽などがある。


棋にはシャンチー(中国象棋)・囲碁・五目並べなどがある。


書道には小篆・楷書、・行書・隷書、・草書などがある。


絵画には山水画、花鳥画、人物画などがある。


  • 画の六法

娯楽には麻雀(麻将)・雑技などがある。



武術




少林寺の功夫



  • 武術

    • 中国武術を参照

    • 功夫


    • 気功

      • 太極拳

      • 詠春拳



    • 少林功夫




その他



  • 中国四大美人

  • 紫微算命

  • 姓名筆画算命


  • 手相・面相

  • 中華料理

  • 中国茶

  • 中国酒



ギャラリー




脚注


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  1. ^ 中国歴史博物館編著『華夏文明史』 朝華出版社,2002年。王克林『華夏文明論集』山西人民出版社,2006




関連項目



  • 中国の新石器文化の一覧

  • 中華圏

  • 中国化


  • 中国本土(チャイナ・プロパー)



外部リンク



  • CHINA7-華夏思想と由来


  • 中国文化としての礼楽余項科、静岡大学、国際関係・比較文化研究第3巻 第1号、‎2004





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