デコトラ






デコトラ


デコトラデコレーショントラックの略であり、コンテナ部のペイント塗装やマーカーランプやアンドンといった電飾装備、ステンレス製やクロムメッキを施されたエアロ部品などを用いて外装を飾ったトラックを指す用語である。別名アートトラックとも呼ばれる。




目次






  • 1 概要


  • 2 沿革


    • 2.1 第1期デコトラブーム


    • 2.2 現況




  • 3 装備


    • 3.1 外装パーツ


      • 3.1.1 フロントデッキ(シートキャリア)


      • 3.1.2 サイドミラー


      • 3.1.3 バイザー(ひさし)


      • 3.1.4 フロントバンパー


      • 3.1.5 サイドバンパー


      • 3.1.6 リアバンパー


      • 3.1.7 ハシゴ


      • 3.1.8 その他のパーツ


      • 3.1.9 材質


      • 3.1.10 電飾




    • 3.2 塗装


      • 3.2.1 書体




    • 3.3 内装


    • 3.4 カテゴリーによる分類




  • 4 メディアでの展開


    • 4.1 映画


    • 4.2 テレビドラマ


    • 4.3 バラエティ


    • 4.4 ゲーム


    • 4.5 ホビー玩具


    • 4.6 専門誌




  • 5 脚注


  • 6 参考文献


  • 7 関連項目


  • 8 外部リンク





概要


デコトラの名称は、青島文化教材社がプラモデルを商品化する際に1976年(昭和51年)に作った造語[要出典]が一般名詞化したものとされている。軽トラックからトレーラーまで大小の種類を問わず見受けられ、外装だけでなく内装にも装飾がされた車も多い。本来の運送業務には利用せず、イベント参加用に個人の趣味として作られた車もある。



沿革






デコトラの原型は、主に水産業および水産物輸送に携るオート三輪が、塩害や融雪剤の悪影響で車体が錆び、寿命が短かったことから、傷んだ荷箱の補修に表面を小円状のヘアライン加工(由来は航空機用外板の「エンジンターン加工」 Engine turnings )したステンレス鋼板をリベット留めしたのが始まりとされる。この表面硬化加工されたステンレス板は「ウロコステン」と俗称され、独特の光沢や質感からデコトラの装飾に用いられる基本的な材料になった。現在では桜や薔薇などの花模様がプリントされたステンレス板も普及しているが、元来は装飾ではなく実用上の加工であった。後に豊漁時における大量輸送の要請で荷台部を大型化する改造が、高度経済成長で急造したダンプトラックなどにも波及し、その際に商店や企業の看板のみならず、オーナーの趣味を反映した装飾が施されるようになっていった。


車体にアンドン、マーカーなど、装飾目的のみの改造を施したのは、一説には宮崎靖男の1964年式いすゞTD、また一説には八戸港の水産物流業、山本商事の夏坂照夫ならびにその義兄とされている。夏坂兄弟のいすゞ11トン前輪2軸車と、三菱ふそうT656の『第三正神丸』、そして1969年式日野TC平ボディーの『八高丸』は、花鳥風月をエアブラシで描いたペイントや、電飾等さまざまな改造を施した車両で同業者から注目を浴び、トラックカスタムの一ジャンルとして認知されるようになった。当時はトラック用の既製改造部品がほとんど無く、観光バスや自家用自動車の解体部品(空調ダクト→「バスロケット」、行先標示板→「アンドン」、リアコンビネーションランプ→「流れるテール」など)や、米軍放出品のホーン(俗に言うヤンキーホーン)などを流用していた。トラックの愛称(ニックネーム)「○○観光」は観光バスのパーツ流用の名残りで、「○○丸」は水産物流業者にルーツがあり、現在でも用いられている。



第1期デコトラブーム




映画「トラック野郎」シリーズに登場した「一番星号」(三菱ふそう・Fシリーズ)


1970年代に入ると宮崎ら横浜のグループや、夏坂ら八戸港・石巻港の「第七港町急送」などが結成され、豪華さを競うブームは全国へ広がった。これをNHKが取り上げ『カメラリポート 走る街道美学』(1975年)という番組名で放送。同番組で、「派手な電飾を点灯して東名高速道路を走行していたデコトラ」(宮崎も取材を受けている[1])を目にした愛川欽也が、以前から菅原文太と温めていたロードムービーを実現させるためのキーワードとして「デコトラ」に注目。企画を東映に持ち込んで製作されたのが、『トラック野郎・御意見無用』(監督:鈴木則文、主演:菅原文太、愛川欽也)だった。この製作発表会で宮崎は「哥麿会」を発足させ[2]、映画に全面協力している(自身も運転手役で全作に出演した)[3]。1975年8月に公開されたこの映画は、当初は単発の併映作扱いだったにもかかわらず予想外の大ヒット作となりシリーズ化し、毎年お盆と正月に封切られるようになった。それに伴いデコトラも高齢者から子供まで幅広く認知されていく。「トラック野郎シリーズ」の主人公、星桃次郎に憧れて運輸業界に入った者も少なくない[4] 。なお、桃次郎の運転する11トン車「一番星号」は、元は哥麿会の当時の副会長の愛車(ダンプカー)の名前であった。監督の鈴木が名前を気に入り譲って貰ったのだが、その代わりに菅原から「兄弟星号」の名を送られている(ただし、行灯を作る前に廃業している)[5]


「トラック野郎シリーズ」は、毎回クライマックスで、桃次郎が義理人情のためにハンドルを握り、一番星号を爆走させる。そして、ほぼ毎回、パトカーの追跡を振り切る場面があり、パトカーがひっくり返る事も珍しくなかった(第4作『~天下御免』のように、カーチェイスがない作品もある[6])。これに対し、警視庁から東映にクレームが入っており、プロデューサーの天尾完次は対応に苦慮していたという。このため、夏の公開は大作映画に差し替える案があった[7]。1979年末に公開された第10作『~特急便』は売り上げが10億円に届かなかったこともあり、結局1980年の夏は大作映画『二百三高地』が公開され、「トラック野郎シリーズ」は終了した。同時に、警察による取り締まりの強化でトラックの電飾などが規制され始め[8]、70年代のデコトラブームは沈静化した。



現況


1990年代後半以降は、機動戦士ガンダムをイメージするようなガンダム系アート、ラッセル戻しと呼ばれるバンパーなどに代表されるデザインはモダンアートと総称される。『トラック野郎』時代を回顧するレトロアートの再流行も見られる。威圧的な装飾を「反社会的」と嫌悪する警察からの圧力を恐れる荷主[独自研究?]も少なくなく、現在は多くの企業が装飾のついたトラックの出入りを禁止している。また運輸会社においても大手を中心に、社則で自費でも装飾は禁止しているところも多い。[要出典]したがって、業務にも用いられるデコトラの多くは個人事業主や装飾を容認する小規模運輸会社によって所有されるものが中心となっている。



装備


一口にデコトラといってもさまざまな方向性があり、またそのバリエーションがオーナーやグループの個性となって現れている。車両のサイズやコンセプト、用途の関係もあって必ずしも下記の装備品が全て揃っている必要はない。


これらのパーツを装着する事で全長・全幅・全高・重量が変わる場合があるので、道路交通法及び道路運送車両法を遵守し、また必要に応じ記載事項変更・構造変更の手続をして、改造車検に合格しなければならない。


2013年には、トラックのフロントガラスに装飾板を入れて視界を妨げることを黙認したとして、運送会社5社が兵庫県警に摘発されている[9]



外装パーツ



フロントデッキ(シートキャリア)


トラックの運転席(キャブ)の上に装着され、通常は平ボディやダンプカーなら積み荷の飛散防止や雨よけのシートカバー、固定用のロープやベルトなどを収容する箱状のパーツが、バンボディ(箱車)なら空気抵抗を低減するエアデフレクター(エアロパーツ)が装着されるが、デコトラの場合はこの部分にステンレスまたはスチール製でメッキを施したフロントデッキ(鳥かご)や筒状の装飾品(ロケット)が装着される。
デコトラでキャブやバンボディの屋根に装着されているロケットは、かつてはとバスで活躍したスーパーバスの空調ダクトを模したものといわれている。



サイドミラー


メーカー純正パーツでミラーの外枠にメッキ加工を施したものはあるが、デコトラ用ではミラーアームを換えた車が多い。見栄えと剛性確保のため口径の太い物や角パイプ・丸パイプを使用する物、行灯やマーカーランプなどのイルミネーションを組み込んだものがある。



バイザー(ひさし)


車内の日よけでは遮れない直射日光を抑える。フロントデッキやバンパー、ミラーアームとコーディネートすることが多い。大別すると先端が直線のストレート型とV字状にふくらんでいる舟形になる。信号機や道路標識の視認に支障があってはならない。



フロントバンパー


フロントデッキと併せてデコトラを印象づけるパーツのひとつで、視覚的なインパクトを与えている。他のメーカーのトラックのバンパーを移植したり(アフターマーケットで他の車種にサイズを合わせたレプリカ品が発売される車種もある)、行灯を組み込んだりする車も多い。ダンプカーのように工事現場や悪路に出入りすることの多い車では障害物対策として可動式に改造することもある。オーナーによっては、ナンバープレート装着部に囲いを付ける事もあるが、この場合も前方から文字が容易に確認できる形状であることを要する(日本のナンバープレート#違法行為を参照)。



舟形

上から見たときに船のへさきのように中央がふくらんだ(または尖った)構造のもの。人気の高い形状。

キャデラック(キャディラック)型

1960年代のキャディラックの後部をイメージしたもので、外縁部と中央のナンバープレート取り付け部分が前に突き出ている。次項で述べるラッセル・ラッセル戻しも外縁部が突き出ているものがあるが、キャディラック型は先端が路面に対して垂直になっていることが多い。

ラッセル型

横から見たときに断面が鋭角(斜め)になっている。除雪車(ラッセル車)の形状から。

ラッセル戻し

上記のラッセル型に“戻し”を加えたもので、横から見ると断面がくの字状になっている。

オバQ形

昭和30年代末から40年代後半に製造された川崎航空機岐阜製作所(後のジェイ・バス宇都宮事業所)製観光用デラックスバスのレプリカバンパー。バス車体の形状がオバケのQ太郎に似ている為この名前で親しまれた。

前出しバンパー

単純に、純正バンパーを前方へ出すタイプである。最近では、バンパーに前照灯を設置しているトラックが増えており、それらのトラックには特殊バンパーを装着することができないため、このタイプが増えている。これには、ただバンパーを前に出すだけのタイプと、前に出してからバンパーの上と両サイドをふさぐタイプの二つがある。後者のふさぐタイプは、上をシマ板、両サイドをメッキパーツでふさぐ。ふさぐタイプのほうが見栄えも良い為人気がある。

ダブルバンパー

純正バンパーを上下2段重ねにするタイプである。スポイラー付のバンパーがなかった頃(1970年代)に流行した。中には下部のバンパー中央を「ハ」の字型にカットして取り付けることもある。また、沖縄県では階段状に取り付けた車が多い。



サイドバンパー


通常のトラックではこの部分に燃料タンクがあるためパイプ状となっている車が多いが、見栄えをよくするために幅の広い板を使ったり、行灯やマーカーランプなどのイルミネーションを組み込んだりすることがある。



リアバンパー


仕事で使うのか、イベント用か、また荷役の状態によって形状が左右される。



  • 箱車や平ボディではバンパーの断面を階段状にして荷台への出入りに配慮したタイプが装着されることがある。また箱車や平ボディでもプラットホームに着けて荷役を行うことが多い場合やパワーゲートを装着する場合、排出した土砂がバンパーに支障を来すダンプの場合は後ろへの張り出しが少ない。

  • 多数の尾灯や方向指示器、後退灯を組み込み、「コントロールフラッシャー」を用いて特殊な発光パターンで点灯させることもある。



ハシゴ


本来はフロントデッキや荷台の上に昇るために装着されるが、デコトラの場合はアクセサリーとして装着されることが多く、行灯やマーカーランプなどのイルミネーションを組み込んだタイプが見られる。イルミネーションを組み込むタイプの多くは手や足をかける隙がない飾り専用のものが殆どである。



その他のパーツ


旧モデルや、他メーカーの車種からライト周りやミラーなどの部品を移植する場合もある。乗用車のリアコンビネーションランプ(「ケンメリテール」「流れるテール」)なども流用される場合がある。


ホーンを交換する場合は、ラッパ部分の長さを変えることで音程の変化をつけられるエアホーンが主流である。ただし、通常のホーンを外してエアホーンやメロディホーン(ゴッドファーザーのテーマなどを奏でる「ミュージックホーン」もこれにあたる。)だけを装備することは保安基準に適合しない。


バンボディでは荷台の上に「ロケット」と呼ばれる筒状の装飾部品を装着したり、荷台の上に更に装飾用の箱を載せる手法がある。荷台が開くウィングボディでは可動性を重視しバスロケットと呼ばれる装飾部品がよく取り付けられる。


ダンプや平ボディではキャビン背面のあおり(プロテクター)の高さを上げ、前面のキャビンより上の部分を装飾してフロントデッキのデザインとコーディネートする場合や、背面に絵や文字を描く場合がある。


マフラーカッターと呼ばれる排気管の縁を装飾するパーツや、アメリカのコンボイトレーラーのように煙突状のマフラーを装着することがある。また、6気筒や4気筒のエンジンの場合はV8エンジンのような音を出すため、排気管のマニフォールド分岐を5対1あるいは3対1と不等にする場合もあり、「マニ割」と呼ばれる。こうした排気管でアクセルを踏み込んだ時に発生する音を「叩き」、アクセルを抜いたときの高音を「鳴き」と呼ぶ。煙突マフラーなどにしない限りは先端を二股にするダブルマフラーにし、右後輪の前側から出すことが殆どである。排気管やマフラーには排出ガスや騒音に関する保安基準があり、製品によっては適合しない場合もある。


また緊急自動車・工事用車両でなくてもキャビンの上に回転灯(パトライト)を装着することがある。ただし緊急自動車ではないため、灯火の色にかかわらず走行中に点灯することは禁止されている。


燃料タンクや、空気ブレーキと空気バネ用のエアタンクの配管をアルミニウム製やステンレス製、メッキを施されたものに換装して装飾することがある。



材質


デッキ・バンパー・バイザー・ロケット、ボディパネルの一部にはメッキを施されたスチールの他、ステンレス鋼板が用いられているが、一部では万一の事故の際に相手を過剰に傷付けない目的で、FRP製を使用することもある。しかしFRPを多用することはデコトラ業界ではまだまだ少数派である。


ステンレス鋼板の場合はパンチングメタル(網目状の穴が開けられている)だったり、うろこ状の研磨や、エッチング加工、レーザーによる抜き加工などを施したものもあり、ディテールに変化を与えている。レトロアートにおいてはスパンコールが貼られることもあるが減少傾向にある。



電飾



行灯


ガラスやプラスチック(主にアクリル樹脂)の板に模様や文字を入れ、照明を組み込んだ箱に取り付けて光らせる。フロントウィンドウの下をはじめ、フロントデッキ、バイザー、前後バンパー、荷台の前、ミラーなどに装着され、主にトラックの愛称や会社名、キャッチフレーズなどが記載される。

フロントウィンドウの下に装着されるものは自動車メーカーのエンブレムを模したものが多く、愛称や模様などが書き込めるようにサイズアップされることがある。行灯の形状とベース車のメーカーの関係を無視して日野や三菱ふそうの行灯が他メーカーの車に装着されるケース(いすゞ車、UD車によく見られる)がよくある。

マーカーランプ

非改造のトラックにも付いているが、デコトラのそれは非常に多く付けられる。行灯と共にデコトラの夜の派手さを演出するパーツで、フロントバンパー、リアバンパー、ホイールなどに装着される。電球式の他、LED式も増えつつある。

電飾

フロントデッキ、バイザー、ハシゴ、サイドバンパー、荷台などに装着される。

最近では、軽量化や省電力化の観点からLEDが主流になりつつある。


リレーやコンピュータで発光パターンを制御することができるが、デコトラに無関心な人からは特に派手なイルミネーションの車に対して「パチンコ屋のようなトラック」と揶揄されることがある。なお、走行中にマーカーランプを点滅させるのは違法である。

電源

これら電飾を点灯させるのにノーマル車のバッテリーやオルタネーターでは電力不足となる場合があるので、バッテリーの増設やオルタネーターの強化、市販されている汎用の発電機を搭載するケースがイベント専用車を中心に見られる。



塗装


キャブ部分には通常のソリッド塗料の他、マイカ、パール、メタリックといった市販の乗用車でも使われる塗料だけでなく、ラメ(アルミニウムフレーク)入り、マジョーラなど凝った塗料を使用することが多い。シャーシフレームは19世紀の欧州の大砲の車台のように赤で塗装されることがある。


荷台に描かれる絵のテーマはオーナーによってさまざまだが、よく見られる題材では以下のようなものがある。これらを組み合わせて描かれることも多い。ワンポイントで描かれることもある。



  • 動物(竜、虎、鷹、鷲、魚、恐竜、犬、猫など)
    • 猛獣、猛禽、架空の動物が多く見られ、中でも竜は人気の高い題材。一方で猫やペンギンなどメルヘン系も少しずつ増えている。


  • 植物(桜、菊、牡丹など)
    • 桜は日本の国花でエッチングの柄にも取り入れられる。また牡丹は「唐獅子牡丹」に代表される「花の王」といわれ、歌舞伎ものと組み合わされることが多い。


  • 人物(歴史上の人物や芸能人など)
    • 前者は戦国武将と並んで十二単や花魁も好まれる。後者はバニングでも見られるように特定の芸能人のファンに見られるが、肖像権の問題がある。


  • 風景(山、海、都市など)
    • 主に魚介類を輸送するトラックで魚と波の絵が好まれる。「魚河岸」のマークや縁起の良い日の出を入れることも多い。クリスチャン・ラッセン調の海の絵も見られる。



  • 歌舞伎
    • 竜と並んで人気があるのがこのジャンル。華麗で力強いイメージがある。


  • 神仏・縁起物(日の出、七福神、観音菩薩など)
    • 商売繁盛を祈願して主に営業ナンバー車で七福神や宝船は人気がある。初夢にも挙げられる富士山や鷹も。


  • アニメ(ディズニー、スタジオジブリ、機動戦士ガンダム、銀河鉄道999等)
    • 近年、萌えアニメを取り入れたものも進出している。痛車の一種と考えられる。こちらも著作権をクリアしているか(またはすべきか)が課題。


  • アオシマの模型では、リーガル・グラフィティ(いわゆる「グラフィティ」の形態をした作品であるが、管理者の了解又は依頼により法に触れず作成されるもの。グラフィティを参照)のペインターによる作品をあしらったものもある。



書体


レトロ感を出すために、社名や愛称、ダンプカーの車両番号表記には主に勘亭流や行書体、草書体が用いられる。すずき工芸独特の「すずき文字」も人気があるが、凝った書体は読みにくいので選定には注意が必要。



内装


水中花入り延長シフトノブを筆頭に、天井張りや壁、ダッシュボード、シートカバーなどの定番として金華山織りと呼ばれるゴージャスなデザインの内装材が好まれてきた。他にビニールレザー等が採用される。またカーオーディオに凝ったり、室内灯をシャンデリアに換えたり、お洒落なふとんやカーテンなどで寝室をアレンジする傾向がある。
最近では、カーテン、ハンドルカバー、トラック用布団がトラック内装の三大必須アイテムとなっている。
運転席後部の寝台回りをお洒落にするプリーツ式遮光性仮眠カーテンやサテン生地のカーテン、トラック用ふとんなどお洒落なデザインが好まれる傾向にある。
トラックを仕事で使わず、主にイベント用車両とする場合はバンボディを架装し、荷台部分を改造してキャンピングカーとすることもある。
インテリアではないが、CB無線やパーソナル無線(この二者はその殆どが不法無線局)やアマチュア無線の無線機、バックミラーを補完する後部監視カメラを装着するトラックも多い(特にパネルバンでは真後ろは全く見えないのでルームミラーは無用の長物。後方カメラに関しては近年ではノーマル車にも多く取り付けられている)。



カテゴリーによる分類



関西風アート

行灯やイルミネーションを多用して夜の派手さを追求する。もちろん荷台は塗装する。

関東風アート

行灯やイルミネーションは控えめでメッキパーツを中心に装飾する。荷台は無塗装かメッキパネル、エッチング加工を施したステンレス鋼板が好まれる。特に荷台を凝った作りにする事が多く、バスフェンダーと呼ばれる後ろのフェンダー部分が大きいのが特徴。

レトロアート

映画「トラック野郎」に出演したようなトラックをイメージしたもの。鷹や鷲のエンブレムやうろこ状に研磨されたウロコステンレスが用いられる。

モダンアート

平成に入ってから主流になってきたアート手法。デザイン性に富んだ飾りのもの。

ガンダムアート

モダンアートの一種で、パンチング加工やレーザー抜き加工などを多用したものをこう呼び、基本的に飾りは既製品ではなくワンオフ製作された物である。



メディアでの展開


映画「トラック野郎」のヒットで映画やテレビドラマに劇用車として登場するほか、ゲームソフト・玩具も登場している。また、自動車雑誌の一ジャンルとして一定の地位を確保している。



映画




  • トラック野郎シリーズ(主演:菅原文太、愛川欽也)

  • ダンプ渡り鳥

  • 激走トラッカー伝説


  • 爆走トラッカー軍団シリーズ(主演:ジョニー大倉)


  • 爆走! ムーンエンジェル -北へ(主演:工藤静香)

  • スーパーの女


  • デコトラの鷲シリーズ(主演:哀川翔)


  • デコトラ外伝 男人生夢一路(ゲーム『爆走デコトラ伝説』の実写版。主演:菅原加織(菅原文太の息子))



テレビドラマ



  • ベルサイユのトラック姐ちゃん

  • 流れ星お銀 事件解決いたしますシリーズ

  • 探偵一家シリーズ

  • GTO

  • 世にも奇妙な物語


  • 山本太郎のアメリカ大陸横断~スーパートラックの旅~

  • 探偵家族

  • HOTEL


  • ごくせん(第2シリーズ)

  • セレブと貧乏太郎

  • ブラッディ・マンディ

  • 名前をなくした女神

  • 全開ガール



バラエティ



  • デコトラ一番星(MONDO TV)


  • 日曜ビッグスペシャル(テレビ東京)

    • 全日本ダンプカーレース(1985-1986年)

    • 激突!!全日本トラックレースグランプリ(1987-1988年)





ゲーム




  • 爆走デコトラ伝説(PlayStation用、ヒューマン)

    • アートカミオン芸術伝(PlayStation用、ティー・ワイ・オー)

    • 爆走デコトラ伝説2 男人生夢一路(PlayStation用、スパイク)

    • 爆走デコトラ伝説 男花道夢浪漫(PlayStation 2用、スパイク)

    • 真・爆走デコトラ伝説 ~天下統一頂上決戦~(PlayStation 2用、スパイク・ジャレコ)




  • 爆走デコトラ伝説BLACK(ニンテンドーDS用、スパイク)


  • 全国デコトラ祭り(Wii用、ジャレコ)


  • トラック狂走曲(アーケード用、ナムコ:後のバンダイナムコゲームス・メトロ)
    • トラック狂走曲~愛と哀しみのロデオ~(PlayStation 2用、メトロ)



  • エイティーン・ホイーラー(アーケード・ドリームキャスト・PlayStation 2・ニンテンドーゲームキューブ用、セガ)
    ※アメリカントレーラーのゲームだが隠し要素としてデコトラによる運転が可能。




ホビー玩具




  • 青島文化教材社(以下アオシマ)より、デコトラシリーズのプラモデルが発売されているほか、コーヒー飲料の景品として約1/150スケールのNゲージ鉄道模型サイズミニカーを製造し流通したことがある。

    • デコトラの商標登録も昭和51年から使用しており、デコトラはアオシマがプラモデル商品化するにあたって作った造語である。このデコトラ名称誕生の経緯は1976年、東映のトラック野郎の公開時、アオシマが東映にプラモデル商品化の打診を行ったが、同時期に玩具メーカーのバンダイ模型からも打診されており、アオシマからの打診は断ってバンダイのみ「トラック野郎」の版権・独占商品化権を与えた為、アオシマ側で考慮の上「デコトラ」でのプラモデル、同時に商標登録を進めたのである。

    • アオシマのデコトラ関連商標は、現在2種類確認されている。

      • デコトラ - 商標登録番号 第4928594号

      • 大型デコトラ - 商標登録番号 第1434910号






  • タカラトミーより、トミカアートトラックセットが発売されていた。



専門誌




  • カミオン(芸文社)


  • トラックキング(英和出版社)


  • トラックボーイ(日本文芸社、廃刊)


  • トラックスピリッツ(交通タイムス社)



脚注




  1. ^ 杉作J太郎、植地毅 『トラック野郎 浪漫アルバム』 徳間書店、2014年。ISBN 978-4198637927。200頁。


  2. ^ 鈴木則文、宮崎靖男、小川晋 『映画「トラック野郎」大全集:日本最後のアナーキー・プログラム・ピクチャーの伝説』 洋泉社〈別冊映画秘宝 洋泉社MOOK〉、2010年。ISBN 978-4-86248-468-0。 40頁。


  3. ^ 『映画「トラック野郎」大全集:日本最後のアナーキー・プログラム・ピクチャーの伝説』 42頁。


  4. ^ 『トラック野郎 浪漫アルバム』 192頁、195-196頁。


  5. ^ 『映画「トラック野郎」大全集:日本最後のアナーキー・プログラム・ピクチャーの伝説』 39頁。


  6. ^ 『映画「トラック野郎」大全集:日本最後のアナーキー・プログラム・ピクチャーの伝説』 71頁。


  7. ^ 鈴木則文 『トラック野郎風雲録』 国書刊行会、2010年。ISBN 978-4-336-05234-6。 146-147頁。


  8. ^ 『トラック野郎 浪漫アルバム』 201-202頁。


  9. ^ トラック視界妨げる装飾板黙認、運送会社を捜索 読売新聞 2013年1月23日



参考文献


  • (株)ネコ・パブリッシング「MODEL CARS TRUCKS2」(2004年発行)ISBN 4-7770-0271-3


関連項目




  • デコチャリ(自転車版デコトラ)

  • バニング

  • 痛車



外部リンク



  • スパイク「真・爆走デコトラ伝説 ~天下統一頂上決戦~」

  • メトロ「トラック狂走曲~愛と哀しみのロデオ~」

  • デコトラ登録商標を持つ、青島文化教材社

  • デコトラ一番星 - MONDO TV









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