2007年東ティモール大統領選挙
2007年東ティモール大統領選挙(2007ねんひがしティモールだいとうりょうせんきょ)は、東ティモール民主共和国の元首である大統領を選出するため、2007年の4月(第1回投票)と5月(決選投票)に投票が行われた選挙である。
目次
1 概況
2 選挙データ
3 選挙結果
4 参考資料・外部リンク
概況
国連暫定統治下で実施された2002年4月に行われた大統領選挙以来、5年ぶりに行われた選挙で、2002年5月の独立後初めての選挙となった。選挙には8名の候補者が立候補したが事実上、ノーベル平和賞受賞者で国際的知名度が高いラモス・ホルタ暫定政権首相(無所属)と、フランシスコ・グテレス(通称ル・オロ)フレティリン党首・国会議長、反フレティリンの急先鋒で若手改革派のフェルナンド・アラウジョ(通称:ラサマ)民主党党首の3名による三つ巴の争いとなった。4月9日の第1回投票では、ル・オロ候補とラモス・ホルタ候補がそれぞれ1位と2位の得票を得たものの、ル・オロ候補は過半数に達しなかったため、翌月5月9日に決選投票が行われ、ホルタ候補がル・オロ候補が大差で破って当選を果たした。
選挙データ
2006年12月に国会で制定された「大統領選挙法」に基づいて実施された。第1回投票で過半数を得た候補者がいなかった場合は、一ヶ月後に第1回投票における上位2候補による決選投票が実施され、最多得票を得た候補者が当選する。大統領選挙の選挙運動は、3月23日から投票日3日前の4月6日まで行われた。
- 候補者(登録順)
- Francisco Guterres。フランシスコ・グテレス(通称:ル・オロ)…国会議長、フレティリン党首
- Avelino Coelho。
- Francisco Xavier do Amaral。
- Manuel Tilman。
- Lucia Lobato。
- Jose Ramos Horta。ラモス・ホルタ…首相、無所属。
- Joao Carrascalao。
- Ferdinand de Araujo。フェルナンド・アラウジョ(通称:ラサマ)…民主党(PD)党首、反フレティリンの急先鋒
選挙結果
- 投票日
- 第1回投票:4月9日
- 決選投票:5月9日
- 登録有権者数:
- 第1回投票:522,933名
- 決選投票:524,073名
- 投票率
- 第1回投票:81.79%
- 決選投票:
候補者名 | 第1回投票 | 決選投票 | 当落 | ||
---|---|---|---|---|---|
得票数 | 得票率 | 得票数 | 得票率 | ||
フランシスコ・グテレス Francisco Guterres | 112,666 | 27.89% | 126,525 | 31% | |
ジョゼ・ラモス=ホルタ Jose Ramos Horta | 88,102 | 21.81% | 286,260 | 69% | 当選 |
フェルナンド・アラウジョ Ferdinand de Araujo | 77,459 | 19.18% | |||
Francisco Xavier do Amaral | 58,125 | 14.39% | |||
Lucia Lobato | 35,789 | 8.86% | |||
Manuel Tilman | 16,539 | 4.09% | |||
Avelino Coelho | 8,338 | 2.06% | |||
Joao Carrascalao | 6,928 | 1.72% |
- 出所:Presidential Election 2007 Results、Run-Off Election 2007 Final Results。East Timor Legal Information Site。
4月9日に投票が行われた第1回投票においては、堅い組織票を持つル・オロ候補が28%弱の得票で首位となり、ラモス・ホルタ候補は21.8%で2位、ラサマは20%弱の票を獲得した。東部地域のバウカウ県出身のホルタ候補は同じ東部地域のヴィケケ県出身のル・オロ候補と有権者の支持を激しく争った一方で、西部地域のアイナロ県出身のラサマ候補は西部地域における反フレティリン票の多くを獲得した形となった。首位となったル・オロ候補の得票が過半数に達しなかったため、1ヶ月後の5月9日にル・オロ候補とホルタ候補による決選投票が行われ、第1回投票で敗北した6名の候補者の内、5名からの支持を得たホルタ候補が7割近い得票を得て、当選を果たした。
参考資料・外部リンク
アジア経済研究所編『2008年版 アジア動向年報』(アジア経済研究所)- East Timor Legal Information Site
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