サザエさん
サザエさん | |
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ジャンル | 家庭漫画 |
漫画 | |
作者 | 長谷川町子 |
出版社 | 姉妹社→朝日新聞社 |
掲載誌 | 夕刊フクニチ→新夕刊→朝日新聞 |
発表期間 | 1946年4月22日 - 1974年2月21日 |
話数 | 6477話 |
テンプレート - ノート |
『サザエさん』は、長谷川町子による日本の漫画。また、その主人公である「フグ田サザエ」の呼び名である。
目次
1 作品解説
2 著作権問題
3 キャラクター使用
4 キャラクター商品
5 サザエさん通り
5.1 東京都
5.2 福岡市
6 その他
7 派生作品
7.1 かるた
7.2 楽曲
8 連載の履歴
9 主な登場人物
10 執筆時のエピソード
11 作風とその変化
12 漫画以外のメディア化
12.1 メディア化の概略
12.2 舞台版
12.2.1 江利チエミ特別公演「サザエさん」
12.2.2 チエミ喜劇「決定版サザエさん」
12.2.3 コマ・ファミリー劇場「夏休みだよ!!サザエさん」
12.2.4 音楽劇「サザエさん」
12.2.5 音楽劇「サザエさん」(再演)
12.3 映画
12.4 テレビドラマ
12.4.1 高杉妙子版
12.4.2 江利チエミ版
12.4.3 星野知子版
12.4.4 浅野温子版
12.4.5 観月ありさ版
12.5 映画及びテレビドラマ版での配役
12.6 ラジオ
12.7 CM
12.7.1 OTONA GLICO ~25年後の磯野家~
12.7.2 マイライン
12.7.3 カップヌードル
13 関連書籍
14 脚注
14.1 注釈
14.2 出典
15 関連項目
作品解説
原作漫画は新聞連載の4コマ漫画である(ただし、5ページほどのショートストーリー漫画が雑誌連載されており、「別冊サザエさん」に収録されている)。西日本新聞社から独立したフクニチ新聞社の整理部長牟田口宗一郎が長谷川に福岡の地方新聞『夕刊フクニチ』誌上での連載を依頼。1946年(昭和21年)4月22日から連載を始めたが、長谷川が東京へ引越しするために連載を打ち切った。連載開始当初は、台詞がカタカナで書かれていた。漫画の舞台は博多で、サザエは独身だったが、連載を打ち切る時にサザエがマスオと結婚している(福岡時代の最終回とみられる回のオチの部分が、小さいながらも『サザエさんうちあけ話』の作者の回想で描かれている)。長谷川の家族が東京の桜新町へ引っ越した後は、『夕刊フクニチ』で連載を再開。舞台も東京へ移り、マスオが磯野家に同居する。
掲載紙は間もなく『新夕刊』(東京スポーツの源流となる夕刊紙)に移り、『夕刊朝日新聞』(『朝日新聞』本紙とは別扱の新興紙)を経て、1951年(昭和26年)4月16日からは『朝日新聞』の朝刊に移る。途中、長谷川の病気が理由で1951年(昭和26年)11月7日から11月14日まで休載されたが、11月15日に連載を再開、また、1953年(昭和28年)1月16日にも健康上の理由から同年3月31日まで休載されたが、4月1日に再び連載を再開。その後はほぼ無休で連載が続いたが、1973年(昭和48年)になると毎週月曜日の定期休載に加えて短期の休みが多くなり(7月15日から8月9日、9月5日から9月9日など。理由はすべて「作者病気のため」)、1974年(昭和49年)2月21日をもって休載に入るが[1]、その後は連載が再開されることはなかった。話数は6477話に及んだ。
本作はいわゆるストーリー漫画ではなく、一貫した舞台、人物が登場する比較的独立したエピソードからなる。季節が移り変わっても登場人物達は年を取らない形式となっている。しかし、新聞連載の4コマ漫画らしく、時代背景を象徴する内容が多いのが一つの大きな特徴となっており、終戦直後から復興期の時代に描かれた初期から中期と高度経済成長の時代に描かれた後期とでは作風が大きく異なっている。特に、初期から中期にかけてはサザエとその家族および彼らの周辺の人物たちの日常生活が主な題材であったが、後期には主に社会風刺をネタにした作風が目立つようになっている[2]。連載は1974年で終了したが、(昭和51年)1976年から(昭和53年)1978年まで長谷川による『サザエさんえほん』が9冊刊行されている[3]。
長谷川の作品の出版は姉妹社が行ってきたが、長谷川の没後の1993年4月に廃業し絶版となり、長谷川町子美術館が著作権を継承した。後に朝日新聞社から文庫本(全45巻)と「長谷川町子全集」(全33巻中1〜23巻が本編、他に30巻『別冊サザエさん』と33巻『カラー版 よりぬきサザエさん』)が出版されている。なお、本作の単行本の出版に際しては、新聞掲載前日に起こった出来事の理解が必要な回、初期連載作品で現在とは登場人物の設定が異なる回、やむをえない理由で不適と判断された回などは省かれている場合があり、朝日新聞社版でも姉妹社版から若干の作品が省かれている。清水勲著『サザエさんの正体』(平凡社、1997年)によると、姉妹社版で連載から省かれた作品数は700点余り、朝日新聞社版で姉妹社版から省かれた作品数は15点である。なお姉妹書に『古きよきサザエさんの世界』(いそっぷ社、2002年)がある。姉妹社版には作者が自ら編集し発売した『よりぬきサザエさん』シリーズが存在し、「長谷川町子全集」にはその中から『カラー版よりぬきサザエさん』全1巻が収録されている。2012年12月~2013年3月には「朝日新聞」に掲載された作者及び『サザエさん』関連の特集記事を特典として収録し復刊したもの(全13巻)が朝日新聞出版から発売された[4]。この復刊版『よりぬきサザエさん』には朝日新聞社版で省かれた作品の一部が収録されているが、姉妹社版『よりぬきサザエさん』と比較すると削除された話も数話存在する。2018年より今まで単行本未掲載だった新聞掲載エピソードを収録した単行本おたからサザエさん全6巻が朝日新聞出版より発売される。
漫画本の発行部数は姉妹社版が7000万部以上[5]、朝日新聞社版の文庫本が1600万部以上[6]に達する。日本の新聞連載漫画としては最大のベストセラーである。妹・長谷川洋子による回想記『サザエさんの東京物語』(朝日出版社、2008年)がある。
アメリカでも、『The wonderful world of sazae-san』というタイトルで翻訳出版された。その際一部のコマが反転されている。
著作権問題
原作者の長谷川が『サザエさんうちあけ話』にて「サザエさんの単行本をコピーした、いわゆる海賊版が国内に出回っていた」と語っており、発行元の姉妹社に損害が起きていた模様[注 1]。
無許可でキャラクター画を使用した「サザエさんバス事件」以後、本作は他の作品以上に版権管理が厳しくなり、版権を管理する長谷川町子美術館に画像使用許可などを申請しても門前払いされていた時期があった。
1970年、奥成達が編集長を務めた雑誌『東京25時』(アグレマン社)9・10月合併号に、テディ片岡(片岡義男)原案・木崎しょう平作画によるパロディ漫画『サザエさま』が掲載されたが、過激な内容と著作権の問題で姉妹社から訴えられ、罰金50万円の支払いと謝罪広告の掲載がなされた[7]。
1980年前後にケイブンシャが発行していた「全アニメ大百科」(年度ごとに改訂版あり)では、日本で制作された連続テレビアニメについて草創期から当時の最新作までを網羅しており、各作品ごとに放送期間や声優、ストーリーの概略などをキャラクターの画像と共に紹介していたが、『サザエさん』と『いじわるばあさん(1970年版)』については画像を掲載することができなかった[注 2]。
1992年頃に流行となった謎本のひとつ、東京サザエさん学会により『磯野家の謎 サザエさんに隠された69の驚き』(飛鳥新社)が刊行され、続編『磯野家の謎おかわり』とともに大ヒットとなったが、これらは原作やアニメのコマが一切掲載できなかったため、文中で「●巻p.●●」のように出典を示す脚注が付けられたのみであった。原作漫画やアニメのコマが一切掲載されていない理由について、「作者の許諾が得られなかったから(代わりに脚注を付けたので、そちらを参照してほしい)」と記述している。また翌年にはビデオ版も発売されたが、こちらも著作権者の許可を得なかったため訴えられており、絶版となっている。
同じく1992年にシングルCDとして再発されたアニメ主題歌のシングルでも、ジャケットにはキャラクターの画像は一切使用されていない。
現在でもこの厳しい版権管理は続いており、映像化作品(ドラマ、映画全般も含む)のビデオソフト(DVD、BD)化や、インターネットでの有料配信すらも行われていない。ただ、2016年にはサザエさん誕生70周年を迎えたことから、CSの「日本映画専門チャンネル」にて、同年4月から2017年1月にかけて東宝および宝塚映画のシリーズ全10作が順番に毎月1作品ずつ放送されている[8]。なお著作権法により、没後50年の2042年に長谷川の著作権は自然消滅する。
また、文芸春秋発行の「文芸春秋デラックス」では「日本の笑い マンガ1000年史」(No.17 昭和50年9月号)に新聞掲載の4コマ作品3本、「アニメーションの本」No.42 昭和52年10月号)には、一家が勢揃いしたアニメのキャラクターの画像が掲載されている。
キャラクター使用
連載初期頃には文明堂や森永製菓の広告で起用されており、いくつかの長谷川の手による広告用の原画、贈答用の物や包装紙などが存在する。また、選挙の投票期間告知のポスターでも採用されている。
作者が存命中の頃はテレビアニメの筆頭スポンサーである東芝をはじめ、ハウス食品・日本コカ・コーラ(Hi-C)・日本電信電話公社などのCMに起用されていたが、1990年代はほぼ東芝一社のみとなり、1996年以降は同社のテレビCMにも起用されなくなった。
作者の没後8年を経過した2000年頃から、マイライン(→#CM)やJAバンク、日本コカ・コーラ(ミディペットボトル)などのCMで、アニメ版を中心とした本作のキャラクター画を使用されることが多くなってきている。ただし、これらのタイアップは作者の生前に契約が存在した企業がほとんどである。また、東京急行電鉄のイメージキャラクターにも起用されたこともあった。
2008年に江崎グリコのチョコレート製品のテレビCMとして制作された「OTONA GLICO 〜25年後の磯野家〜」は、その独特な世界観から話題を集めた。
JAバンクについては、キャッシュカード一体型のJAカードにアニメ版のサザエさん一家が描かれた「JAカード(サザエさん)」が存在しており、2010年前後になってJAバンクを統括する農林中金側の公式サイト内にあるJAカードのサイトに掲載されるようになっている。
2011年、2013年には防災週間のPRキャラクターに起用された。
キャラクター商品
本作のアニメが放映開始された当初は、本作の版権元はキャラクター商品の許諾を全くしない方針だった(実際にキャラクター商品化を計画していたバンダイが門前払いになっている)。なぜこのような方針を取ったのかは不明だが、放映当時はマルサン商店と今井科学の倒産で玩具業界ではキャラクター商品は敬遠されていた。
サザエさんバス事件の判決が出た1976年にタカラが初めて商品化した。タカラは同年の年末商戦における「最大の関心事」と位置づけ、人形から貯金箱まで幅広く商品を展開。しかしあまり売れなかった。業界では「人間キャラは売れない」というジンクスがあり、本作もそれを証明することになった(後にこのジンクスを打ち破るのは『ちびまる子ちゃん』である)。
ハウス食品から1984年に「サザエさんちのふりかけ」「サザエさんちのお茶漬け」が、1985年に「サザエさんちのおにぎり」が発売され、1990年代前半まで発売が続けられた。「サザエさんちのふりかけ」は、「サザエさんちの」と銘打っているにもかかわらず、パッケージにもテレビCMにもサザエの姿だけがなかった。「サザエさんちのおにぎり」のパッケージ・テレビCMにはサザエが登場していた。また、明治製菓から1984年にスナック菓子として「かつおくん」と「わかめちゃん」が発売され、こちらは、サザエ、カツオ、ワカメの3人でテレビCMに登場している。
非売品ではあったが、1980年代には、スポンサーである東芝からもグッズが多数出ており、東芝専門の街の電器屋さんなどで商品を買うと、主にサザエやタラちゃんがプリントされた財布などを進呈するというフェアもあった。
また、名古屋に本社を置く長登屋が商品化権を取得しており、全国各地の土産物屋を中心にキャラクターを利用した菓子商品の製造販売を行っている。
2006年7月15日、お台場のフジテレビ本社ビルに、『サザエさん』のキャラクター商品を扱う専門店「サザエさんのお店」が開業した。
この節の加筆が望まれています。 |
サザエさん通り
本作の舞台となった東京都と福岡県福岡市早良区に「サザエさん通り」を称する道路がある。
東京都
近隣に長谷川が長年居住し本作の舞台となったこと、長谷川町子美術館が1985年に開館したことにちなみ、桜新町商店街振興組合が音頭をとって東急田園都市線の桜新町駅前から国道246号へとつながる「中通り」が1987年に「サザエさん通り」と改称された。歩道には『サザエさん』のキャラクターが描かれた看板もある。ほとんどが原作の時の絵になっている。2012年3月25日には、磯野家メンバーの銅像が設置された[9]。この銅像に対し、2013年6月3日付で都税事務所から58万9200円の固定資産税(償却資産)の納税通知書が届き、桜新町商店街振興組合では困惑していたが[10]、10月19日に一転して固定資産税の免除が通知された[11]。
『サザエさん』に登場する「三河屋」は「サザエさん通り」にコンビニエンスストアのセブン-イレブン世田谷サザエさん通り店として実在する。三河屋の屋号は、出入口のセブン-イレブンのロゴの下に「三河屋酒店」と小さく表記されていたが、のちにこの表記は「三河屋」に変更された。
舞台の沿線となる東京急行電鉄の広告キャラクターに採用されたこともある。東急世田谷線では、一時期『サザエさん』のラッピングを施した車両が運行されていたことがある。
福岡市
福岡市では2007年4月26日、長谷川が住んでいた福岡市早良区百道浜一丁目(住所上は早良区西新六丁目(地図))に『磯野広場』ができ、「サザエさん発案の地」の記念碑が建てられた。記念碑には『サザエさんうちあけ話』からの引用が記載されている。
また、福岡タワー北側の博多湾岸から福岡タワー前交差点 - 博物館前交差点 - (よかトピア通り) - 西新通り交差点 - 脇山口交差点間の市道1.6kmには2012年5月27日に「サザエさん通り」の愛称が付けられた[12]。この「サザエさん通り」沿いには上述の「磯野広場」がある。
2013年2月には、サザエさんと福岡市在住の波平の兄・海平の着ぐるみが完成し、地元のイベント等で活用されるようになった[13]。
2014年5月20日~7月13日に福岡市博物館で「長谷川町子と福岡」をテーマにした展覧会「サザエさん展 長谷川町子とその時代」が開催されたり[注 3]、2015年1月30日に、西新駅に第1巻の表紙と第1話をモチーフにした高取焼の陶板が設置される[14]など、「発案の地」としての福岡をアピールしている。
その他
京都大学の日本史の問題に出題された。他にも慶應義塾志木高等学校、芝浦工業大学柏中学高等学校(高校)の入試問題にも出題されたことがあり、家庭科をはじめとする教科書でも本作が題材となることが多い。- 1998年に発行されたお年玉つき年賀はがきの東京地方版にサザエさんが描かれた。漫画・アニメキャラクターがお年玉つき年賀はがきに描かれるのはこれが最初。
- 磯野家は世田谷区新町三丁目51番地に住所が仮定されている。
- 単行本の第1巻はB5判の横綴じだったが、書店の店頭に並べにくいということですべて返品され、姉妹社は当時の日本出版配給から出入り禁止を言い渡された。その結果長谷川の自宅は返品された単行本に占拠される事態となった。そこで判型をB6判に変更した第2巻を出したところ読者には好評で問題の第1巻にも注文が入るようになり、この事態は解消された。姉妹社の廃業までこの判型が踏襲され、第1巻も後にB6に変更された。なお、単行本出版にまつわる詳しいエピソードは『サザエさんうちあけ話』で紹介されている。また、このB5判横綴じの第1巻を再現した復刻版が、2013年4月27日より長谷川町子美術館の売店で販売されている。
- 基本的に現代(連載当時)を舞台にしたサザエさんであるが、長谷川の漫画『新やじきた道中記』には江戸時代設定の磯野家の面々が登場する。設定としては、サザエが結婚する前の頃の一家を江戸時代にアレンジしたものであり、本編における現在の磯野家との関係はないものとみられ、一種のスターシステムといえる。
- 原作での磯野家の正確な間取りは話によって変わるため決まっていないが、長谷川町子美術館ではアニメ版のものを展示している。
- また、福岡時代と東京・世田谷では家の造りが異なり福岡時代は日本家屋の豪邸のような造り(二階建てとわかるシーンがある)だが、東京での連載再開時の磯野家は平屋となっている。アニメ版には存在しない洋室も登場している。
- 舞台が東京になった際、長谷川の隣家の家族構成が同じであり、マスオさん婚や平屋などを参考にしている。
- その情報源は長谷川町子の姉である長谷川毬子と隣家との世間話から得たものであると隣家に語っている。
- 電話に関しても、福岡時代には磯野家に電話機(壁掛け式)が登場しているが、舞台が東京になった際は電話線の引き込みが遅れている設定となっている。風呂に関しても同様で、たびたび銭湯が登場している。
- 上記の電話に関連して、電話番号による問題が起きており、長谷川がある回の中で適当に書いた電話番号が実際に存在していたことが判明し(偶然にも同じ世田谷区の番号だった)、その番号を使用していた人物から、問題の回を見たとみられる者達による朝晩問わずの悪戯電話がひっきりなしに掛かってきた被害(掲載当日だけでも朝から58回、午後は150回の被害)を訴えられる事件が起きた。なお、単行本収録の際に問題箇所は修正されている。
鶴見俊輔は『サザエさん』について「戦前の父権主義や核家族化に対するアンチテーゼを描いたものだ」と自著で記している[15]。
派生作品
わかめちゃんとかつおくん(「たのしい一年生」連載 1956年9月 - 1961年2月)
わかめちゃん(「たのしい幼稚園」連載 1962年 - 1963年)
サザエさんとわかめちゃん (1952年・姉妹社)
サザエさんうちあけ話(「朝日新聞」日曜版 連載 1978年4月 - 11月)
サザエさん旅あるき (「朝日新聞」連載 1987年4月 - 10月)
かるた
姉妹社から本作を題材にした3組のかるたが発売されていた。このうち『かるたサザエさん』以外の2組は、赤ちゃんとママ社から復刻版が発売されている。
- サザエさんかるた
- 1949年頃発売。1枚目の読み札は「いまないた ワカメが もうおねだり」。2012年に復刻版が発売された[16]。
- 2012年10月25日発売(復刻版) ISBN 978-4-87014-080-6
- サザエさんかるた その弐
- 製作年代等不明。1枚目の読み札は「いつでも ようきな サザエさん」。長谷川町子美術館にも1組しか現存しておらず、幻のキャラクターグッズとされていたが2013年に復刻版が発売された。
- 2013年10月24日発売(復刻版) ISBN 978-4-87014-090-5
- かるたサザエさん
- 前2組よりも後の年代に製造されたとみられる。1枚目の読み札は「いびきに ねごとの おとうさん」。
楽曲
漫画のイメージソングとして制作された楽曲。
- サザエさん
1950年発売。作詞:田河水泡、作曲:長谷川堅二、歌:服部富子。ビクター盤[17]。- サザエさん音頭
- 発売時期不明。作詞:大下文代、作曲:細川潤一、歌:照菊・若原一郎・キング合唱団。キングレコード盤。
連載の履歴
1946年4月22日に『夕刊フクニチ』紙上に連載開始、同年8月22日に連載中断
1947年1月3日に『夕刊フクニチ』紙上に連載再開、同年5月8日に連載中断
1947年10月25日に『夕刊フクニチ』紙上に連載再開、同年11月5日に連載中断
1948年2月6日に『夕刊フクニチ』紙上に連載再開、同年6月21日に連載中断- 1948年3月に『漫画少年』誌上に連載開始
- 1948年11月17日に『夕刊フクニチ』紙上に連載再開、1949年4月4日に連載終了
1948年11月21日に『新夕刊』紙上に連載開始、1949年4月2日に連載終了
1949年12月1日に『夕刊朝日新聞』紙上に連載開始、1950年12月31日に連載終了
1951年4月16日に『朝日新聞』(朝刊)紙上に連載開始、1960年4月に連載中断
1955年1月に『少女クラブ』誌上にて連載開始、同年12月に連載終了(1953年にも同誌に読みきりを掲載している)
1957年1月に『若い女性』誌上にて連載開始、1959年1月に連載終了
1961年10月15日に『朝日新聞』(朝刊)紙上に連載再開、1974年2月21日に連載中断、事実上連載終了(以降掲載されず)
主な登場人物
なお、出典は基本的に現行の朝日新聞社版を参考にする。
- フグ田サザエ
- 本作の主人公。福岡県生まれの磯野家の長女。特徴的な髪型は当時の流行にあわせている。単行本1巻で東京に引っ越し、単行本2巻でフグ田マスオと結婚しタラオをもうける。
- 性格は快活でそそっかしく乱暴、よくカツオと取っ組み合いの喧嘩をしている。
- 磯野カツオ
- 磯野家の長男で小学生。アニメ版では一貫してかもめ第三小学校5年3組となっている(ワカメも同様)。髪型は基本的に丸刈り。連載開始当初は、ワカメの面倒をよく見ているちょっと抜けているお兄さん、といった雰囲気を持っていた。連載後半になるにつれ、現在のアニメ版のようなズル賢く機転の利く腕白坊主となり、口も達者となり登場回数も格段に多くなる。漫画界における「世渡り上手」の代表的キャラクター。
- なお、原作においては、学校での生活や友達関係が描かれることはほとんどない。
- 磯野ワカメ
- 磯野家の次女。原作漫画では最終的に小学1年生で7歳の設定だが、アニメでは小学3年生。原作とアニメ版において最も性格が異なる。性格は天真爛漫で、非常に活溌である。アニメ版では「優等生」になっており、カツオと比べ存在感も薄いが、原作では立場が逆であった。連載中盤まででは、サザエに次いで登場回数の最も多いキャラクターであり、話の「オチ」を担うこともかなり多い。
- 磯野波平
- 磯野家の大黒柱で、3子(サザエ、カツオ、ワカメ)の父。年齢は54歳[18]。職業はサラリーマン(事務職)で、会社は銀座の晴海通り沿いにある。
- 初期の役職は「局長」であったがいつの間にか降格しており、後期には平社員となっていた。アニメでは磯野家の“家長”として威厳があるが、原作においては威厳がなく、家族を叱るシーンもあまり多くなく、登場回数も必ずしも多くない。しかし登場した時は、話の「オチ」を担当している。性格はかなり抜けており、お茶目なところがある。そのため、子供に威厳を示そうとするも、その情けないキャラクターゆえにカツオに逆に手玉にとられることも多い。それ以外に『都下禿頭会(とか・とくとうかい)』の理事をしていると話している。
- 実は、初期には名前は設定されておらず、東宝および宝塚映画のシリーズでも「波平」として出てくるのは最終作『福の神 サザエさん一家』のみで、当初の役名は「サザエの父親」とされていた(ただし、家の表札には五作目まで「磯野松太郎」と掲げられている。また、同シリーズでは「波夫」といった名前も出てくる)。
- 磯野フネ
- 波平の妻。旧姓は石田。アニメではほとんど怒らないが、原作では性格は厳しく、激しい気性の持ち主である。家族を叱る回数も波平より多い。
- 波平の陰口を言ったり、喧嘩中は波平にちょっとした嫌がらせをするなど、アニメではあまり見られない陰湿な一面もある。東宝および宝塚映画のシリーズでは原作寄りの厳しい気性で描かれる。
- 初期には波平同様に名前が設定されていなかったため、東宝および宝塚映画のシリーズでは初期の役名は「サザエの母親」とされたが、三作目においてフネの名前が明かされ、中盤以降の役名は「フネ」、「舟子」といった名前も出てきた。
- フグ田マスオ
- 日刊フクニチ連載当時の最終回で初登場し、2巻でサザエと結婚したサラリーマン。結婚当初はサザエとタラオとのフグ田家3人で磯野家の近所にある借家に住んでいたこともあり、2巻において大家と喧嘩し追い出されたため磯野家と同居。現在に至る。アニメではかなり気の弱い夫となっているが、原作では磯野家に対して主張する時もある。
- 基本的にはいい兄貴分であるのでカツオとワカメに慕われている。
- 勤めている会社は当初は郊外だったが、後に有楽町に移る。当初は平社員だったが、後に係長に昇進。その時の年齢は32歳。実家は大阪で、時々出てくる母親は大阪弁を話す。実は長谷川は東京で連載再開するまで彼の顔を忘れていたというエピソードがある。
- フグ田タラオ
- サザエとマスオの長男。2巻から登場。赤ん坊コンクールで2等賞をもらったことがある[19]。アニメでは大人しく物分りの良い「いい子」だが、原作では若干乱暴者である。サザエに背負われるなどして登場回数こそ少なくないが、セリフがほとんど無い。カツオ、ワカメはごく初期[20]において、タラちゃんの前で自分達のことをそれぞれ「おじちゃん」「おばちゃん」と称していた。当初、タラちゃんの登場を予告する文面では「女の子」設定だった。
- 波野ノリスケ
- 波平の妹の三男(波平の甥、サザエ・カツオ・ワカメの従兄弟)。体型はやや太り気味。新聞記者。8巻から12巻の間、押しかけ同然に磯野家に居候する。波平や新入社員に借金を頼み込んだこともあるなど図々しい性格でちゃっかり屋であるが、その人柄の良さからか、磯野家の面々からは嫌われてはいないようである。12巻で入江(旧姓)タイ子とお見合い結婚。結婚後は「東アパート」という所に住む。恐妻家である。14巻で子供をもうける。この子はアニメではイクラとなっているが、原作においては劇中で名前は出てこない。アニメでは磯野家の隣人で作家・伊佐坂難物の担当でもあるため、平日の昼間でもよく隣の磯野家に現れる。カツオ・ワカメとは従兄弟ではあるものの、歳が離れているせいか「ノリスケおじさん」と呼ばれる。
- 波野タイ子
- ノリスケの妻。旧姓は入江。結婚当初は身のこなしが上品であった。しかし登場回数が少ないからか、結婚後は時に太っていたりと、容姿に変遷が見られる。アニメ版のような家族ぐるみの付き合いは描かれていないが、サザエとは初期によく絡んでいた。
連載当時は動物を飼育している家庭も多く、本作にもニワトリや牛、ヤギなどが多く登場する。特にニワトリは非常に多く登場し、波平が飼っていたニワトリを絞めてご馳走の鳥鍋にするシーンや、イタズラをしたカツオやワカメがお仕置きとしてニワトリ小屋に閉じ込められるシーンもある。、磯野家では比較的頻繁に登場する猫の「ミー公」や犬の「ジョン」を始め、登場回数は少ない(大体一度きり)がアニメ版と同じ「タマ」などの猫や「エルザ」、「太郎」といった犬も多く登場する。他には小動物として、カツオがカナリヤ・伝書鳩・亀・ハムスターを、ワカメが金魚を、サザエが「マイク」というリスを飼っていたこともあった。なお、カツオは飼っているペットを挙げて「扶養家族手当」として小遣い値上げを訴えたことがある。
また、長谷川の他作品からは『似たもの一家』の主人公の一家も登場する。伊佐坂家はアニメでは磯野家の隣家だが、原作では10巻にわずかに登場するに過ぎない。本作にはキャラクターとして特定の名前が与えられていないが、非常に多く登場する人々がいる。たとえば相撲が好きだった作者は、相撲をネタにした話をしばしば用いている。
いわゆる浮浪者のように、社会的に恵まれない人や「俺ぁ、刑務所から出てきたばっかりなんだ」という決まり文句で磯野家の門を叩く押し売りや、穴の空いた服に無精髭の泥棒や強盗など、どこか憎めない犯罪者も非常に多く登場する。なお、泥棒が多く登場するのは、作者の自宅に何度も泥棒(主に空き巣)が押し入ったためであると言われている。
実在の人物が登場することもしばしばあった。例えば、その当時の総理大臣はほとんど登場している。作者の長谷川自身もたびたび登場している。
また、セリフだけであるが昭和天皇も登場している回もある[21]。あくまで作中での波平の想像における登場であり、姿そのものの登場ではない。後に長谷川は実際に昭和天皇と園遊会で対面している。
執筆時のエピソード
長谷川は、西日本新聞社の絵画部に所属していた。その後1946年、同社から新しく発行された『夕刊フクニチ』で彼女は連載漫画を頼まれた。自宅の近所である百道海岸付近を妹と散歩しているときに、本作の家族構成や名前を思いついた。当初は作者自身は、アルバイトのつもりでやっていた、と語っている。
連載を再開する際、作者本人が、マスオの顔を忘れていて、西日本新聞社東京支局(福岡で連載していた福岡日日新聞は西日本新聞の夕刊)まで行き確認したエピソードがある。
その後、作者の引越しと合わせ磯野家も東京に引越した。1951年に「ブロンディ」の後を承けて朝日新聞の朝刊を飾ることになる。
連載末期には月曜日が休みとなった。
作風とその変化
連載が長くなるにつれ、作者の長谷川自身は1960年代中頃から従来と異なる新しい作風に興味が移っていった。彼女は自伝『サザエさんうちあけ話』の中で「子供にも無害なヒューマニズム(ヒューマニタリズム)には飽きた」[22]「書き手にとっては取材範囲が限られるのが苦しい」[22]などと語っている。このような時期に生まれたのが、後に長谷川の代表作の1つとなった「いじわるばあさん」(1966年~1971年)である。そして、この頃から、『サザエさん』もそれまでのヒューマニズム色の強い作風から大きく変化し、社会風刺の要素を取り入れたアイロニカルな作風へと移行している。
漫画以外のメディア化
メディア化の概略
1948年9月28日にマキノ映画により映画化。『サザエさん 七転八起の巻』が上映。東屋トン子主演。
1950年に上記の映画の続編『サザエさん のど自慢歌合戦』が上映。東屋トン子主演。
1955年1月4日にニッポン放送によりラジオドラマ化(1965年4月まで)- 1955年10月3日にKRテレビ(KRT、現・TBSテレビ)により五分の帯番組(月から土)でテレビドラマ化(1957年9月28日まで)。
1956年12月12日に東宝により映画化。江利チエミ主演、青柳信雄監督。詳細はサザエさん (1956年の映画)を参照(1961年まで、全10作のシリーズ)。
1965年11月19日にTBSにより江利チエミ主演でドラマ化。1967年9月29日まで。
1966年、江利チエミ主演で舞台化(以降1975年、1978年にも上演)。
1969年10月5日にフジテレビによりアニメ化。詳細はサザエさん (テレビアニメ)を参照。
1975年、江利チエミ主演の舞台、「チエミ喜劇「決定版サザエさん」」が上演。- 1977年ごろから1988年まで、文化放送「マエタケの朝は自由大通り」「お元気ですか高島忠夫です」内にて「連続ラジオまんが おはようサザエさん」が放送されていた。声優はテレビアニメ版と同一で提供も東芝だった。
1978年、江利チエミ主演の舞台、「コマ・ファミリー劇場「夏休みだよ!!サザエさん」」が上演。
1979年、本作が生まれるまでの長谷川一家及び姉妹社の経緯が、NHK総合により連続テレビ小説『マー姉ちゃん』としてドラマ化された。
1981年(星野知子主演)にフジテレビでスペシャルドラマとしてドラマ化、1984年には「フジテレビ開局25周年記念 長谷川町子スペシャル サザエさんVS意地悪ばあさんVSいじわる看護婦」が放映された。- 1992年3月、NHK衛星第二で特集番組『サザエさん』。出演:西田敏行・森口博子 音楽:ミッキー吉野。この番組のためのテーマソングも新たに作曲された。西田・森口の2人で数役をこなしながら声を当てる4コマ漫画の朗読や、マー姉ちゃんなどの映像資料をもとに制作された番組。フジテレビで放送した過去のアニメも一部オープニングとエンディングも含め放送したが、フジテレビの名前や提供クレジットが出る歌の後奏はカットされた。本番組のために長谷川は自画像などのイラストを寄稿したが、これが遺作となった。
1992年~1996年(浅野温子主演)にフジテレビでスペシャルドラマとして計6作ドラマ化された。
1994年、榊原郁恵主演で舞台化。
1995年、熊谷真実・東ちづる主演(ダブルキャスト)で舞台化(1994年版の再演)。- その他、1993年11月25日に飛鳥新社から『磯野家の謎』の実写版ビデオが発売された。役者はすべて素人を起用している。ナレーションは大沢悠里、メイクアップはトニー・タナカが担当した。
2008年9月10日より放送の江崎グリコの『アーモンドプレミオ』『バンホーテン ディアカカオ』のCMにおいて、『25年後の磯野家』という設定の実写版CMが制作された。
2009年、フジテレビ開局50周年とテレビアニメ40周年を記念したスペシャルドラマとして観月ありさ主演で再びドラマ化され、11月15日の18:30〜20:54(JST)に放送(テレビ大分は11月21日12:00〜14:25に、テレビ宮崎は12月5日14:00〜16:25に遅れ放送)。カラーテレビの普及とウーマンリブ運動が活発化した昭和40年代を時代背景として描かれた。また、2010年8月8日に第2弾が18:30〜20:54(JST)に、2011年1月2日に第3弾が生誕65周年記念で18:30〜22:00(JST)に放送された。
2013年10月11日にニッポン放送『サザエさんのオールナイトニッポンGOLD』を放送した。パーソナリティは主人公のフグ田サザエ(声・加藤みどり)[23]。また、フジテレビのアニメ担当は『浅倉南のオールナイトニッポン』以来9年ぶり2回目となった。
2015年10月20日、理研ビタミンの「わかめスープ」シリーズのパッケージに磯野ワカメがキャラクターとして採用され、11月2日から12月15日にワカメのデザイン入りマグカップが抽選で当たるキャンペーンを展開。2016年3月に「ふえるわかめちゃん」シリーズや「わかめご飯」シリーズ、「コリコリ茎わかめ」シリーズでも限定でパッケージデザインに採用される予定[24]。
舞台版
江利チエミ特別公演「サザエさん」
- 脚本:阿木翁助
- 演出:青柳信雄
- 公演期間:1966年11月6日〜30日
- 公演会場:新宿コマ劇場
- 出演
江利チエミ(フグ田サザエ)
森川信(磯野波平)
清川虹子(磯野フネ)
小泉博(フグ田マスオ)- 曽我廼家明蝶
- 浪花千栄子
- 同時上演:「チエミ秋に唄う」(構成・演出=土井丈児)
チエミ喜劇「決定版サザエさん」
- 脚本:田井洋子
- 潤色:安永貞利
- 演出:松浦竹夫
- 公演期間:1975年1月31日〜2月25日
- 公演会場:新宿コマ劇場
- 出演
江利チエミ(フグ田サザエ)
水野哲(磯野カツオ)
瀬島充貴(磯野ワカメ)
佐山俊二(磯野波平)
清川虹子(磯野フネ)
大野しげひさ(フグ田マスオ)
高松しげお(波野ノリスケ)
前田武彦(小説家)- 南利明
佐々十郎(泥棒)
コマ・ファミリー劇場「夏休みだよ!!サザエさん」
- 脚本:安永貞利
- 演出:松浦竹夫
- ショウ場面構成・演出:西山博行
- 公演期間:1978年8月1日〜23日
- 公演会場:新宿コマ劇場
- 出演
江利チエミ(フグ田サザエ)
佐山俊二(磯野波平)
清川虹子(磯野フネ)
大野しげひさ(フグ田マスオ)
高松しげお(波野ノリスケ)
松田洋治(磯野カツオ)
大屋光子(磯野ワカメ)- 曽我廼家五郎八
- 同時上演:「スタージンガーとダンガードA」(原作=松本零士、構成・脚本=三好道明、演出=新美正雄・中込綏彦、出演=ささきいさお・こおろぎ '73・かおりくみこ・堀江美都子・大杉久美子・水木一郎)
音楽劇「サザエさん」
- 脚本:三谷幸喜
- 演出:鵜山仁
- 音楽:松任谷正隆
- 公演期間:1994年3月19日 - 4月15日
- 公演会場:アートスフィア
- 出演
- サザエ:榊原郁恵
- カツオ:久本雅美
- マスオ:梨本謙次郎
- 波平:小鹿番
- ワカメ:宮地雅子ほか
- サザエ:榊原郁恵
音楽劇「サザエさん」(再演)
- 脚本:三谷幸喜
- 演出:鵜山仁
- 音楽:松任谷正隆
- 公演期間:1995年8月17日 - 9月10日
- 公演会場:アートスフィア
- 出演
- サザエ:熊谷真実/東ちづる(ダブルキャスト)
- カツオ:島田珠代
- マスオ:高杢禎彦
- ワカメ:伊藤麻衣子
- 波平:小鹿番
- フネ:南風洋子ほか
映画
- 1948年、1950年に製作された映画、東屋トン子がフグ田サザエを演じる
- 「サザエさん 七転八起の巻」(1948年)
- 「サザエさん 踊る探偵の巻」(1948年)
- 「サザエさん のど自慢歌合戦」(1950年)
- 1956年-1961年に製作された映画、全十作(東宝および、系列の宝塚映画による製作)のシリーズ
- 「サザエさん」(1956年)
- 「続・サザエさん」(1957年)
- 「サザエさんの青春」 本作よりカラー
- 「サザエさんの婚約旅行」(1958年)本作は宝塚映画製作
- 「サザエさんの結婚」(1959年)
- 「サザエさんの新婚家庭」
- 「サザエさんの脱線奥様」 本作以降は全作宝塚映画製作
- 「サザエさんの赤ちゃん誕生」(1960年)
- 「サザエさんとエプロンおばさん」
- 「福の神 サザエさん一家」(1961年)
テレビドラマ
高杉妙子版
1955年~1957年にKRT(現:TBS)で放送されたドラマ。KRT初の武田薬品一社提供のドラマであり、『タケダアワー』の前身。放送時間は月~土18:35 - 18:40→月~土18:30 - 18:35。
一説には「絵に台詞を付けた紙芝居のような番組」と言われているが、演出を行った拵井巍の証言によると、実際は五分帯のコント風の生のスタジオドラマであった[25]。
- 脚本:市川三郎
- 音楽:小川寛興
- 演出:拵井巍
- 制作会社:KRT
- サザエ:高杉妙子
- 波平:昔々亭桃太郎
- 舟:水の也清美
- マスオ:小野田勇
- カツオ:石井修
- ワカメ:猿若久美惠
- タラオ:奥村千秋
- ノリスケ:ダッキー里井
- 伊佐坂夫人:戸川弓子[26]
- サザエ:高杉妙子
KRT タケダアワー | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
(なし) | サザエさん (高杉妙子主演ドラマ版) | ぽんぽこ物語 |
KRT 月~土18:35 - 18:40枠 | ||
映画枠 | サザエさん (高杉妙子主演ドラマ版) (1955年10月3日~1956年4月28日) | - |
KRT 月~土18:30 - 18:35枠 | ||
月-ボクシングゲーム 木-子供会 金・土-映画 ※以上18:00 - 18:35 火-憧れのスター 水-松田トシ ショー ※18:10 - 18:35 | サザエさん (高杉妙子主演ドラマ版) (1956年4月30日~1957年9月28日) | 月-こども寄席 火-三平ちゃんといっしょ 水-赤胴鈴之助(実写版) 木-ユキ夫の冒険 金-口笛横丁 土-とんちんかん物語 ※18:15 - 18:45 |
江利チエミ版
1965年~1967年にTBS系列で放映されたドラマ。1966年1月7日放送で瞬間最高視聴率37.1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録。
- 放映期間:1965年11月9日〜1967年9月29日
- 放映曜日・放映時間帯:毎週金曜日21時〜21時30分
- 脚本 :才賀明、宮下達男
- 演出 :鴨下信一、宇治正敏
- 局系列 :JNN
- 制作会社 :TBS
- 主題歌 :江利チエミ「サザエさん」(作詞:宮田達男、作曲・編曲:神津善行)
- サザエ:江利チエミ
- マスオ:川崎敬三
- 波平:森川信
- フネ:清川虹子
- カツオ:吉原誠利
- ワカメ:上原ゆかり
- サザエ:江利チエミ
TBS系 金曜21:00 - 21:30枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
チエミ大いに歌う | サザエさん (江利チエミ主演ドラマ版) | チエミとともに 【つなぎ番組】 ↓ ちょっとまってパパ |
星野知子版
1981年 - 1985年にフジテレビ系列で放映された単発ドラマ
- 放送経歴
回 | タイトル | 放送日 | 放送時間(JST) | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | サザエさん | 1981年4月1日 | 水曜19:30 - 20:54 | |
2 | サザエさん 秋ですネ、サザエさん | 1981年9月30日 | ||
3 | 春一番だョ! サザエさん | 1982年3月31日 | ||
4 | 秋祭りだよ! サザエさん | 1982年9月29日 | ||
5 | '83出発進行だよ! サザエさん | 1983年1月6日 | 木曜20:02 - 21:48 | 『木曜ファミリーワイド』で放送 |
6 | サザエさん 恋の季節だよ! サザエさん | 1983年4月6日 | 水曜19:30 - 20:54 | |
7 | サザエさんPARTVII | 1983年9月28日 | ||
8 | サザエさん サザエさん頑張る・主婦たちの戦後史 | 1985年1月4日 | 金曜21:02 - 22:52 | 『金曜女のドラマスペシャル』扱いはされず |
- メイン出演者
- サザエ:星野知子
- マスオ:小野寺昭
- 波平:小林亜星
- フネ:乙羽信子
- カツオ:佐野大輔→斎藤優一
- ワカメ:織田真澄
- タラオ:高山幸久
- ノリスケ:五木ひろし
- タイコ:片平なぎさ
- 三平(三河屋):野村義男 ※パート2(1981年) - パート4(1982年)
市原悦子 ※パート1(1981年) - パート2(1981年)
加藤芳郎 ※パート1(1981年) - パート6(1983年)
山村美智子 ※パート4(1982年)、パート7(1985年)
マリアン ※パート5(1983年) - パート6(1983年)
大友柳太朗 ※パート6(1983年) - パート7(1985年)
- パート1(1981年)
- 星セント・ルイス
- 北杜夫
- 遠藤周作
- パート2(1981年)
- B&B
- 黒鉄ヒロシ
- 5代目柳家小さん
- パート3(1982年)
- 水の江滝子
- 大屋政子
- 月丘千秋
- 田丸美寿々
- パート4(1983年)
- 鈴木葉子
- ザ・ぼんち
- 山口良一
- 荒井注
- みのもんた
- 犬塚弘
- 三宅恵介
- パート5(1983年)
- ハナ肇
- 梨元勝
- 相本久美子
- パート6(1985年)
- 鈴木ヒロミツ
- 塩沢とき
- 湯原昌幸
- 小野ヤスシ
- 春やすこ
- 芦川よしみ
- かわいのどか
浅野温子版
1992年 - 1996年にフジテレビ系列で放映された単発ドラマ(計6作)
- 放送経歴
回 | タイトル | 放送日 | 放送時間(JST) | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | サザエさん | 1992年10月5日 | 月曜21:00 - 22:24 | |
2 | サザエさん2 | 1993年4月9日 | 金曜21:02 - 22:52 | 『金曜エンタテイメント』で放送 |
3 | サザエさん3 | 1993年10月15日 | ||
4 | サザエさん4 | 1994年4月7日 | 木曜21:00 - 22:54 | |
5 | サザエさん | 1995年1月6日 | 金曜19:00 - 20:54 | 3本立てオムニバス作品 |
6 | サザエさん | 1996年1月4日 | 木曜19:00 - 20:54 |
- メイン出演者
- サザエ:浅野温子
- マスオ:宅麻伸
- 波平:いかりや長介
- フネ:吉行和子
- カツオ:上村裕樹→田宮賢太朗
- ワカメ:遠山真澄→森安加代子
- タラオ:小林俊平
- ノリスケ:布施博
- タイコ:国生さゆり
- マスオの母:正司歌江
山田明郷 ※パート2(1993年)、パート4(1994年)
- パート2(1993年)
- 村田雄浩
- 若松恵
- 宣春拓也
- 掛田誠
- 高橋勝
- 平井洋二
- 伊藤康二
- 神山繁
- 生田悦子
- 春田純一
- 佐戸井けん太
- 円城寺あや
- パート3(1993年)
- 歌川椎子
- 築出静夫
- パート4(1994年)
- 日野陽仁
- 五十嵐いづみ
- あめくみちこ
- パート5(1995年)
- 伊佐坂難物:佐野史郎
- 安達祐実
- 鈴木杏樹
- 小倉久寛
- パート6(1996年)
- 蟹江敬三
- 萩本欽一
- 梶原善
- 高橋かおり
観月ありさ版
21世紀初頭より、観月ありさがサザエを演じる単発ドラマが、これまでに4回アニメ同様フジテレビ系列全国ネットで放送されている。いずれもハイビジョン制作。
- パート1: 2009年11月15日にフジテレビ開局50周年記念番組として放映。視聴率は20.9%(関東地区、ビデオリサーチ調べ。以下同様)
- パート2: 2010年8月8日(フジテレビの日)に夏休みスペシャルドラマとして放映。視聴率は16.5%[27]。
- パート3: 2011年1月2日に正月特番および「サザエさん生誕65年記念」(原作誕生から65年目)として放映。視聴率は11.0%。
- パート4: 2013年12月1日にフジテレビ開局55周年記念番組及び「アニメ『サザエさん』放送45周年記念』番組として放映。視聴率は14.4%。
ドラマの放映日は、いずれもアニメ版の定時放送日と重ねており、その日はアニメ版とドラマ版を1枠化したコンプレックス形式が取られる(アニメが第1部、ドラマが第2部)。パート4ではアニメとの更なるシナジー効果を狙い『サザエさん アニメ&ドラマで2時間半SP』と題され、全3話のうち1話「磯野家はチャレンジャー」の前半をアニメで、後半をドラマで制作するという特殊な構成[28]に用いられた。
観月版では1970年代前半の時代設定になっている。ダイヤルチャンネル式のテレビや、伊藤博文の千円札や岩倉具視の五百円札といった紙幣などその当時の物が作品内で登場する[29]など、その当時の生活ぶりが垣間見られる。また、BGM、玄関扉や襖の開閉音、タラオの足音、タマの鳴き声などはアニメと同じものが使われるようになった。キャストの演技や容姿は浅野版と比べてアニメ版により近い形になっている。
パート1に、サザエ役の声優の加藤みどりと、波平役の声優の永井一郎が顔出しで特別出演し、出演自体は短いがいずれも波平・フネと絡んでいる。加藤はその後もパート2に湯水夫人として、パート3にタバコを買いに来た波平と海平とを続けて見て驚くタバコ屋のおばさん、パート4に足を挫いた老婦人役でゲスト出演している。パート1の放送日はちょうど加藤の70歳の誕生日であったため、加藤みどりの名前の横にバースデーケーキの絵が描かれるという粋な演出があった。
- サザエ:観月ありさ
- マスオ:筒井道隆
- 波平:片岡鶴太郎
- フネ:竹下景子
- カツオ:荒井健太郎(1 - 3)→清水錬(4)
- ワカメ:鍋本凪々美(1 - 3)→錦辺莉沙(4)
- タラオ:庄司龍成(1 - 3)→中野遥斗(4)
- タマ:ねころびぷりん→猫カフェ れおん フーちゃん
- ノリスケ:田中裕二(爆笑問題)
- タイコ:白石美帆
- イクラ:加藤小桜(2 - 3)→鈴木もも(4) / 桂玲子(声のみ)
- サブロウ(三河屋):勝俣州和
- その他
- 伊佐坂軽:戸田恵子(2 - 3)
- 伊佐坂浮江:倉科カナ(2 - 3)
- 伊佐坂難物:三谷幸喜(2)
- 花沢花子:赤石那奈(2 - 3)→松田杏咲(4)
- 中島弘:市川理矩(2 - 3)→品川凛生(4)
- 大空カオリ:田辺桃子(3)→吉岡千波(4)
- 早川:柴田みなみ(4)
- 花沢の父:田口浩正(2・4)
- 警官:柳沢慎吾(2 - 3)
- 穴子:武蔵(3 - )
- 穴子夫人:北斗晶(3 - )
- 専務(波平の上司):小倉智昭(3 - )
- 三河屋の主人:アニマル浜口(4)
- 裏のおじいちゃん:ミッキー・カーチス(4)
- アニメ版声優による特別出演
永井一郎
- 自動車教習所 所長(1)
加藤みどり
- 波平の勤務先の女性社員(1)
- 湯水夫人(2)
- タバコ屋のおばさん(3)
- 足を挫いた老婦人(4)
- パート1他
- 電気店店員:オードリー
- パート2他
- 花沢の母:山本圭子(声のみ)
- クリーニング屋:徳井優
- クリーニング屋の妻:柴田理恵
- 魚徳:春海四方
- パート3他
- 海平:片岡鶴太郎(二役)
- 詐欺師の男:田中要次
- 八百屋:U字工事
- 警官の上司:ガッツ石松
- テレビマン(平川英慈):川平慈英
- 寿司屋:温水洋一
- 波平がゴルフでホールインワンを決めたという初夢に出てきた美少女たち:少女時代
- カツオが妄想する、大人になった本人:トシ(タカアンドトシ)
- カツオが妄想する、大人になったカオリ:平野綾
- カツオが妄想する、大人になった花沢:近藤春菜(ハリセンボン)
- 花沢が妄想する、大人になった本人:佐々木希
巫女:加藤綾子(フジテレビアナウンサー)- 巫女:生野陽子(フジテレビアナウンサー)
- 巫女:松村未央(フジテレビアナウンサー)
- パート4他
- 犬を連れた婦人 / 本人役:水前寺清子(特別出演)
- 花沢不動産の縄跳びチームメンバー:SOLIDEMO
- 占い師:ウド鈴木(キャイ〜ン)
- ※2006年4月22日放映のアニメ版では本人役としての出演経験がある。
- 絵描き:蛭子能収
- 泥棒:小峠英二(バイきんぐ)
- 黒猫のセーターの婦人:白鳥久美子(たんぽぽ)
- 駅員:宮地大介
- 小学校時代のサザエ:柳町夏花
ガリタ:カガリP
映画及びテレビドラマ版での配役
出演期間 | フグ田サザエ | フグ田マスオ | 磯野カツオ | 磯野ワカメ | フグ田タラオ | 磯野波平 | 磯野舟 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
(映画)1948-50年 | 東屋トン子 | - | - | - | - | - | - |
(TV)1955-57年 | 高杉妙子 | 小野田勇 | 石井修 | 猿若久美惠 | 奥村千秋 | 昔々亭桃太郎 | 水の也清美 |
(映画)1956-57年 | 江利チエミ | 小泉博 | 小畑やすし | 松島トモ子 | - | 藤原釜足 | 清川虹子 |
(映画)1957-58年 | 白田肇 | ||||||
(映画)1959-60年 | 猿若久美恵 | ||||||
(映画)1960-61年 | 小串丈夫 | ||||||
(TV)1965-67年 | 川崎敬三 | 吉原誠利 | 上原ゆかり | - | 森川信 | ||
(TV)1981-82年 | 星野知子 | 小野寺昭 | - | - | - | 小林亜星 | 乙羽信子 |
(TV)1983年 | 佐野大輔 | 網田麻澄 | 高山幸久 | ||||
(TV)1984年 | 斎藤優一 | ||||||
(TV)1985年 | 大森嘉之 →斎藤優一 | ||||||
(TV)1992-93年 | 浅野温子 | 宅麻伸 | 上村裕樹 | 遠山真澄 | - | いかりや長介 | 吉行和子 |
(TV)1994年 | 小林俊平 | ||||||
(TV)1995-96年 | 田宮賢太朗 | 森安加代子 | |||||
(TV)2009-11年 | 観月ありさ | 筒井道隆 | 荒井健太郎 | 鍋本凪々美 | 庄司龍成 | 片岡鶴太郎 | 竹下景子 |
(TV)2013年 | 清水錬 | 錦辺莉沙 | 中野遥斗 |
ラジオ
- 1955年から10年にわたりニッポン放送で、1977年から1988年まで11年間は文化放送でそれぞれラジオドラマを、2013年10月11日には同局の『サザエさんのオールナイトニッポンGOLD』として放送された[30]。特に後者2つはテレビアニメ版と同じメンバーの声優が出演していた。
CM
OTONA GLICO ~25年後の磯野家~
江崎グリコの『オトナグリコ』の一環として2008年から2009年にかけてオンエアされたシリーズ。
磯野家の先祖の法事で親族が集まることから始まるCMオリジナルストーリー。原作ではなくアニメ版の世界をベースとしている。BGMもアニメ版のOP、EDテーマをアレンジしたものが使用されている。
なお、CM中には波平やフネ、サザエ、マスオが一切登場しないが、江崎グリコの広報によると「ご先祖様の法事であり、存命です」と説明している[31]。
- カツオ:浅野忠信
- 36歳。ワンパク小僧の容姿は変わらず未だ野球好きで、大学のテスト(地理)では0点を取ったり相変わらず勉学が苦手だったようだが、ワカメに生き方を諭すなど、磯野家の長男としての自覚はあるようである。職業は不明。独身。トライアウトに向けたような運動をしているCMがある。
- ワカメ:宮沢りえ
- 34歳。法事に現れたタラオとイクラを優しく気遣い、カツオとも仲良く接する等、こちらもアニメのワカメのイメージを踏襲しているが容姿端麗に成長している。大手百貨店のエレベーターガール。独身。カツオとワカメは25年を経過しても磯野家で一緒に生活している。
- タラオ:瑛太
- 28歳。マイペースに生きている。移動たこ焼き屋を一人で営んでおり、いつかはチェーン展開しようと大志を抱いているが、イクラに業務提携を持ちかけたところ「それは無いな」と一蹴された。イクラには負けたくないと思っていたらしい。
- イクラ:小栗旬
- 26歳。かつては「ハーイ」「バブー」「チャーン」しか喋れなかった彼も立派な青年へと成長し、彼もタラオにライバル意識を持っていた。その努力が結実し、ベンチャー企業「イクラネット(IKURA.net)」のCEOに就任、高級一戸建てや高級外車、ヘリコプターを所有する等、CM中では出世頭となっている。カツオとワカメの呼称も「カツオ兄さん」「ワカメ姉さん」になった。
- タマ(3代目)
- 再会篇と兄妹の今篇に登場。白猫である。
- カツオの友人:中山祐一朗
- 2009年からのカツオ篇に登場するメガネの男性。花沢不動産勤務。
CM放送開始以降、ラジオ放送版を含む全篇がかつてはオトナグリコサイトで視聴可能だった。ラジオ放送版も基本的にテレビCM版の内容を踏襲しているが、テレビ版と異なるエピソードもある。声の出演は以下の通り。
- カツオ:田中嘉治郎
- ワカメ:中尾衣里
- タラオ:中村たかし
- イクラ:小林顕作
- ナレーション:佐藤丈樹
マイライン
2000年4月から2001年にかけて、マイラインサービスの告知として、パンフレットとテレビCMで原作(漫画)を基にしたキャラクターが使用された[32]。テレビCMはアニメ版の声優を使用しているが、作画はあくまで原作に準じたものとなっている。出稿主であるマイライン事業者協議会は実質上NTT東日本・NTT西日本が運営しており、電電公社以来約16年ぶりの起用であった。
カップヌードル
日清食品のカップ麺「カップヌードル」が2017年に展開している、有名作品の登場人物が現代日本の高校生として青春を謳歌しているという設定のCMシリーズ『HUNGRY DAYS』の第3弾として2017年11月22日より「サザエさん」編が放送されている[33][34]。タイトルは『サザエさんの青春』[35]。
原作では公開お見合いで出会って結婚したサザエとマスオが、もし2017年の現代で同じ高校に通う高校生として過ごしているとしたら、という設定のパラレルワールドとなっており、高校最後の文化祭でマスオがサザエに公開告白を行うというストーリーとなっている。サザエ役を和久井優、マスオ役を島崎信長が演じ、磯野家の家族も声は無いものの登場している。他のシリーズCMと同様にキャラクターデザインを窪之内英策、アニメーション制作をタツノコプロが手がけている。
また、CM公式サイトではストーリー紹介と共に、原作でのサザエとマスオのなれそめも紹介されている。
関連書籍
- 『サザエさんの〈昭和〉』(鶴見俊輔 齋藤愼爾編、柏書房、2006年)
寺山修司が本作をテキストに1972年に発表した「サザエさんの性生活」などを所収。
- 1992年に東京サザエさん学会『磯野家の謎 サザエさんに隠された69の驚き』(飛鳥新社、のち集英社文庫やパンドラ新書:日本文芸社で再刊)という本が出され、200万部を超える大ヒット。続編『磯野家の謎おかわり』(集英社文庫で再刊)も出された。本作に新たなスポットを当てて人気復活に大いに貢献し、その後数年続く「謎本ブーム」の火付け役になった。ただ本作と食い違う記述が多々見られ、批判も多かった。翌年にはビデオ版も発売されたが、著作権者の許可を得なかったため訴えられており、絶版にしている。
- 類似本に『サザエさんの秘密』(世田谷サザエさん研究会、データハウス刊、1993年)があり、数度装丁を変え重版されている。続編として『サザエさんの悲劇』(世田谷サザエさん研究会、データハウス刊、1993年)が刊行されたが、内容に『磯野家の謎』の批判が多く含まれており抗議を受けたためか、装丁を変えた版は出なかった。
新書では2008年に民俗学者鳥越皓之『「サザエさん」的コミュニティの法則』(生活人新書:日本放送出版協会)が出されている。- 朝日新聞の土曜版「be」で、毎週1本の作品から当時と現代との違いを比較する「サザエさんをさがして」という記事が連載されており、2005年から2010年にかけ朝日新聞出版で5冊出されている。基本的に刊の単行本の収録作をそのまま掲載しているが、夕刊フクニチでの最終回など単行本未収録の回が掲載されたこともある。
- 『2015年 磯野家の崩壊 ―アベノミクスの先にある「地獄」―』(山田順 徳間書店、2013年)
- 『サザエさん』は本人が結婚し子までいるにも拘らず親と同居している三世代家族であるなど、舞台設定が高度経済成長当時から全く変化していない。経済情勢のみを2010年代に移したら磯野家はどうなるかをシミュレートする。
脚注
注釈
^ 全く逆の話として、「ニセ本が出ている」と長谷川に送られてきた本が、実は絵柄が変化したことに気付かなかった読者の勘違いで本物の初期の単行本だった、という事例もある。
^ ただし、1978年から1979年にかけて発売された「70年代テレビアニメ全集」(秋元文庫)と、1982年・1983年に発売された「アニメNOW」シリーズ(集英社文庫)には、アニメの一場面が掲載されている(『テレビアニメ全集』には『いじわるばあさん』も)。双方とも著者は杉山卓。
^ その展覧会の開催に先立って、「恋するフォーチュンクッキー」(AKB48)の「サザエさんの街でつながろう!」編が、世田谷区・早良区および長谷川町子美術館の協力で制作され公開している。
出典
^ 朝日新聞1978年4月10日付23面に『サザエさんうちあけ話』の連載予告の記事が載ったが、この時点で『サザエさん』は休載中と明記されていた。
^ 具体的には、長谷川の『エプロンおばさん』の連載が終了して『いじわるばあさん』の連載が開始された1960年代中頃から『サザエさん』の作風も大きく変化している。1965年4月から1991年9月まで朝日新聞に連載されていた『フジ三太郎』(サトウサンペイ作)もサザエさん形式で社会風刺を取り入れた内容になっていた。
^ 「芸術新潮 2016年 09 月号」 特集こんなに凄かった! 長谷川町子と「サザエさん」 76頁
^ http://publications.asahi.com/yorinuki/
^ 清水勲『図説漫画の歴史』河出書房新社、1999年、111-112頁。ISBN 4-309-72611-9。
^ 「天声人語」『朝日新聞』1995年9月20日付朝刊、1頁。
^ 赤田祐一・ばるぼら『消されたマンガ』(鉄人社、2013年)186-191頁
^ 『サザエさん』ではないが、2018年1月に同じ長谷川原作の『新やじきた道中記』の映画化作品『新やじきた道中』が前述の映画を放送した「日本映画専門チャンネル」で1月に、「時代劇専門チャンネル」にて3月に放送されている。
^ サザエさん生誕66周年 桜新町/サザエさん通りに、サザエさん一家の銅像が完成! (PDF) 、桜新町商店街復興組合、2012年3月3日
^ 「サザエさん」像に課税 世田谷・桜新町商店街 45年間980万円:東京新聞2013年6月12日 朝刊
^ 「サザエさん銅像:固定資産税60万円…一転、免除に:毎日jp 2013年10月19日
^ 福岡市に「サザエさん通り」 - 西日本新聞、2012年5月28日
^ 海平さん 西新商店街をPR 着ぐるみ完成、サザエさんも(47NEWS、2013年2月22日)2013年11月14日閲覧
^ 西新駅に「サザエさん」の陶板を設置 - 福岡市早良区役所、2015年2月2日
^ 漫画の戦後思想史
^ 復刻「サザエさんかるた」(All About)
^ 「指定席 童謡レコード」『朝日新聞』1950年5月11日付東京朝刊、4面。
^ 1965年12月16日掲載話(姉妹社版47巻/朝日新聞社版31巻)
^ 5巻
^ 2巻
^ 『朝日新聞』1958年1月1日号。
- ^ ab長谷川町子 『サザエさんうちあけ話・似たもの一家』 朝日新聞社、2001年、ISBN 4-02-261340-8 91頁。
^ はてなブックマークニュース(2013年9月18日)
^ “「サザエさん」ワカメちゃんがわかめスープのパッケージに、本日より販売”. コミックナタリー (2015年10月21日). 2015年10月21日閲覧。
^ 『「タケダアワー」の世界』 洋泉社、2017年、P.90。
^ 参考:テレビドラマデータベース
^ 夏休みスペシャルドラマ サザエさん2{リンク切れ}
^ 磯野家がサブロウと一緒に初めて長縄跳びの練習を行う部分までがアニメパートになっている
^ ただし、パート4の「磯野家はチャレンジャー」のドラマパートに登場したラジカセは何故か1980年代半ば頃のラジカセが登場している。
^ サンケイスポーツ(2013年9月4日)
^ 実写版「25年後の磯野家」CM サザエさん役は誰なのかで議論沸騰、J-CASTニュース、2008年9月22日
^ 「電話会社選択サービス」の円滑な導入に向けて、マイライン事業者協議会、2000年4月17日
^ 「もし、サザエとマスオが現代の高校生だったら」 カップヌードルの新CM第3段は“マスオの公開告白,ねとらぼ,2017年11月22日
^ サザエさん | HUNGRYDAYS アオハルかよ。 | 日清カップヌードル|CUPNOODLE
^ 東宝製作の映画シリーズ3作目と同名タイトルである。
関連項目
サザエさんうちあけ話
- マー姉ちゃん
- 長谷川町子美術館
福岡県福岡市早良区
東京都世田谷区桜新町
- 桜新町駅
- サザエさん旅あるき
- 磯野家の謎
嘉門達夫 - サザエさんを題材にした「NIPPONのサザエさん」を歌う。- 東京サザエさん学会
- サザエさん効果
Be (朝日新聞) - 2004年4月より「サザエさんをさがして」というタイトルで毎週土曜日に1話ずつ掲載している。
サザエ食品 - 社名は「サザエさん」に由来している。
サカスさん - 当作品名が基となったTBSの情報番組。
ドラえもん - 当作品と同様に、2011年11月からアニメ版をベースとしたドラマ風のテレビCM(トヨタ自動車による。詳しくはReBORNを参照)が製作・放映されている。
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