戦車砲







90式戦車(左)と10式戦車


戦車砲(せんしゃほう)は、戦車に搭載された主砲の総称。


最初から戦車への搭載用として設計された物もあるが、既成の野砲、高射砲、対戦車砲をもとに車載用に改造された物も多く、反動を軽減するためのマズルブレーキの追加や駐退機の強化、閉鎖器を螺旋式や水平鎖栓式から垂直鎖栓式に変更、排煙器の追加などの手が加えられている。


かつての戦車の任務が塹壕の突破・歩兵支援であり、また、戦車の砲塔も小型であったため、榴弾砲や小口径の対戦車砲が搭載されていたが、第二次世界大戦では戦車同士の戦闘が増え、また、装甲とともに強化されていったため、現代では戦車砲として搭載されるのは対装甲貫徹力のある高初速砲だけである。1960年代には榴弾砲と対戦車ミサイル発射管を兼ねたガンランチャーも登場したが廃れ、現在は9M119やLAHATの様に通常の戦車砲から発射できる対戦車ミサイルが登場している。


以前は弾丸に回転を与えて弾道を安定させるライフル砲が主流だったが、APFSDS弾や回転により威力の落ちるHEAT弾の登場と共にライフリングの無い滑腔砲が採用されている。21世紀初頭の現在では口径120mm前後のものが主流であり、140mm級も開発されているが、発射時の反動を抑えるのに必要な車輌重量や砲弾の重量が大きすぎる事から採用には至っていない。120mm砲でも砲弾の重さが人力で装填できる限界にきているため、自動装填装置導入に踏み切る戦車が増えている。



有名な戦車砲




ドイツ軍が鹵獲したマークII(1917年4月11日)





サン・シャモン突撃戦車。ソミュール戦車博物館で展示される現存車輌(後期型)(1917〜1918年)





IV号戦車。金網製シュルツェン装備のJ型最後期仕様[1](1939〜1945年)



ナチス・ドイツの旗 ドイツ国



  • 7.5 cm KwK 42(75mm/70口径砲)


パンター中戦車の主砲


  • 8.8 cm KwK 36(88mm/56口径砲)


ティーガーI重戦車の主砲


  • 8.8 cm KwK 43(88mm/71口径砲)


ティーガーII重戦車の主砲

ドイツの旗 ドイツ



  • ラインメタル 120 mm L44(120mm/44口径滑腔砲)


レオパルト2、M1エイブラムス(M1A1以降)、90式戦車等、西側第3世代主力戦車の主砲

イギリスの旗 イギリス



  • ロイヤル・オードナンス L7(105mm/51口径ライフル砲)


センチュリオン(主にMk.9以降)、及びM60パットン、レオパルト1、74式戦車、メルカバMk.I/II等の西側第2世代主力戦車の主砲

ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦



  • D-10(100mmライフル砲)


T-54/55シリーズの主砲


  • 2A46 125mm滑腔砲(125mm滑腔砲)


T-72、T-80、T-90系列の主砲


脚注


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  1. ^ 復元車両のため、車台は前期仕様、ソミュール戦車博物館




関連項目



  • 戦車

  • 対戦車砲








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