ブラック企業大賞






2012年授賞式場である厚生労働省記者クラブが存在する中央合同庁舎5号館


ブラック企業大賞(ブラックきぎょうたいしょう、英語: "MOST EVIL CORPORATION OF THE YEAR" AWARD)とは、日本において、従業員に対して過労やサービス残業を強いたり、パワーハラスメントや偽装請負や派遣差別を行ったりなどが、問題視されている企業(ブラック企業)の頂点を決めるという企画であり[1]、2012年(平成24年)に始まった。




目次






  • 1 概要


    • 1.1 企画委員




  • 2 受賞歴


    • 2.1 2012年


    • 2.2 2013年


    • 2.3 2014年


    • 2.4 2015年


    • 2.5 2016年


    • 2.6 2017年


    • 2.7 2018年




  • 3 出典


  • 4 関連項目


  • 5 外部リンク





概要


運営主体は「ブラック企業大賞企画委員会」であり、作家や弁護士や大学教授などで構成されている[2]。現状では、際立ったブラック企業が取り上げられることはあっても、企業全体現場全体の向上にはなかなか結びついていないことから、ブラック企業が生み出される「背景や社会構造の問題を広く伝え、誰もが安心して働ける環境をつくること」を目的として挙げている[3]



企画委員




  • 古川琢也(ルポライター)


  • 白石草(OurPlanet-TV代表)


  • 河添誠(首都圏青年ユニオン青年非正規労働センター事務局長)


  • 佐々木亮(弁護士)


  • 川村遼平(NPO法人POSSE事務局長)


  • 松元千枝(レイバーネット日本)


  • 内田聖子(アジア太平洋資料センター〈PARC〉事務局長)


  • 須田光照(全国一般東京東部労働組合書記長)


  • 水島宏明(ジャーナリスト・法政大学教授)


  • 竹信三恵子(ジャーナリスト・和光大学教授)


  • 土屋トカチ(映画監督)


過去の委員



  • 印鑰智哉(メディアアクティビスト)


受賞歴



2012年














































受賞名
受賞企業名
受賞理由
(受賞文から要約)
Web得票数
(票数/総数)
会場得票数
(票数/総数)
大賞

東京電力株式会社
以下の社会正義の観点から看過できない非人道行為と人類の歴史においても類を見ない恥ずべき行為に対して


  • 原発建設現場で被曝労働


  • 福島第一原発事故の復旧作業で被曝労働

  • 外注した下請け会社の原発労働者たちの健康を守る責任の放棄

  • 反社会的勢力による中間搾取の認容


  • 被曝線量の偽装工作


4702/20071
1/45
市民賞

株式会社ワタミ
以下の厚顔無恥な言動・姿勢に対して


  • 過労自殺者を労災認定されながら「労務管理できていなかったとの認識はない」「ワタミは天地神妙〔ママ〕に誓ってブラック企業ではない」の言動

  • 過労自殺者を出しながら、様々な社会貢献活動を行い「夢」を持つことの重要性を説く、矛盾した姿勢


10010/20071
14/45
業界賞

株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ
株式会社フォーカスシステムズ

過労死が正式に認定され裁判で遺族が勝訴した事例から、以下のIT業界の体質が改善されるきっかけとなることを切望して

  • 「デスマーチ」という言葉で表現される慢性的な長時間労働の温床

  • 機械相手の孤独な作業から鬱病を発症しやすい労働環境

  • 労働行政や司法における理解の乏しさ故の労働災害認定の難しさ


597/20071
827/20071
2/45
2/45
ありえないで賞

株式会社ゼンショー
度重なる違法行為へのアルバイト従業員からの提訴に、駄々をこねる子どもにも似た対応と社会への責任を負う企業のものとは思えない言い分に対して

  • 「組合員との契約は業務委託であり、雇用する労働者ではない」という摩訶不思議な主張

  • 提訴した従業員を刑事告訴


752/20071
11/45
特別賞

株式会社ウェザーニューズ
以下のブラック企業の特徴を満遍なく備えた「典型的ブラック企業」体質に対して

  • 新入社員がわずか6か月で過労自殺

  • 「予選」と称した試用期間で新入社員に忠誠心を競わせる手法

  • 「天気は眠らない」という理由で従業員に長時間労働を強いる非論理的体質

  • 亡くなる前の被害者に送りつけた人権意識のかけらも感じられないメールの文面

  • さらに遺族に再発防止を約束しておきながら労働時間の偽装疑惑


503/20071
9/45
出典:[4]

他に、SHOP99(現ローソンストア100)、丸八真綿、すかいらーく、陸援隊(関越自動車道高速バス居眠り運転事故を起こした企業)、ハーヴェスト・ホールディングスがノミネートされた。



  • 授賞式開催日 - 2012年7月28日

  • 会場 - 厚生労働省記者クラブ



2013年







































受賞名
受賞企業名
受賞理由
(受賞文から要約)
Web得票数
(票数/総数)
会場得票数
(票数/総数)
大賞

ワタミフードサービス

21898/30480

業界賞

クロスカンパニー
(現・ストライプインターナショナル)

1220/30480

特別賞

国立大学法人東北大学

3475/30480

教育的指導賞

ベネッセコーポレーション

1258/30480

出典:[5]

他に、サン・チャレンジ(ステーキのくいしんぼ)、王将フードサービス(餃子の王将)、西濃運輸、東急ハンズがノミネートされた。



  • 授賞式開催日 - 2013年8月11日

  • 会場 - 在日本韓国YMCA 



2014年








































受賞名
受賞企業名
受賞理由
(受賞文から要約)
Web得票数+会場得票数
(票数/総数)
大賞

株式会社ヤマダ電機

5256/19302
Web投票賞
業界賞

株式会社A-1 Pictures
社員が過労からくるうつ病で自殺したこと。社員は多い時で月344時間の残業、通っていたクリニックから「月600時間」の労働が記されていた。しかし残業代が支払われた痕跡はなかった。アニメーターは若者に人気の職業と言われるが日本アニメーター・演出協会が2008年に728人を対象に行なった調査では9割が年収200万円以下、労働時間の管理がなされず社会保険未加入が多数報告された。若者の夢につけ込む「やりがい搾取」の象徴として。
1130/19302

株式会社不二ビューティ (たかの友梨ビューティクリニック)

1049/19302
要努力賞

株式会社ゼンショーホールディングス

570/19302
特別賞

東京都議会

3207/19302
出典:[6]

他に、タマホーム、リコー、秋田書店、大庄、西日本旅客鉄道、正智深谷高等学校&イストがノミネートされた。なお、株式会社 不二ビューティ(たかの友梨ビューティクリニック)と株式会社ゼンショーホールディングス(すき家)は、9月2日に緊急追加ノミネートされている。



  • 授賞式開催日 - 2014年9月6日

  • 会場 - 在日本韓国YMCA 



2015年


10月27日にノミネート企業が発表され、ウェブ投票が開始された。11月29日に授賞式が行われた。














































受賞名
受賞企業名
受賞理由
(受賞文から要約)
Web得票数
(票数/総数)
会場得票数
(票数/総数)
大賞

株式会社セブンイレブンジャパン[7]
FCオーナーの「見切り販売」をする権利の妨害。見切り販売の妨害は、独占禁止法の「優越的地位の濫用」に当たり、公正取引委員会は2009年に排除命令を出していた。


WEB投票賞

株式会社引越社関東[8](アリさんマークの引越社)
営業職の従業員をシュレッダー係に配置転換するなどし突如として懲戒解雇。解雇の理由を「罪状ペーパー」と称した書類を作成しグループ全店舗に掲示、社報に載せ全店舗の従業員の送りつけた。この罪状ペーパーには解雇された従業員の顔写真が掲載されていた。

この従業員が懲戒解雇無効を東京地裁に仮処分を申し立てると同社は解雇を撤回し復職を命じた。しかし従業員が出社すると社内には罪状ペーパーが掲示されていた。


従業員が所属する労働組合(プレカリアートユニオン)の抗議行動に対し副社長等の幹部が「おい、こらぁ!」「なにしとんねん、われえ!」「言うてみい、こらぁ!」と迫るこの抗議行動の動画はYoutube上で190万回以上再生された。


また過去の作業や事故の弁済費用を従業員の給与から天引きしていた事も労働基準法違反とされている。




ブラックバイト賞

株式会社明光ネットワークジャパン(明光義塾)



特別賞

暁産業株式会社



アリ得ないで賞
株式会社引越社関東



出典:[9]

他に、ABCマート、フジオフードシステムがノミネートされた。



  • 授賞式開催日 - 2015年11月29日

  • 会場 - 在日本韓国YMCA 



2016年




















































受賞名
受賞企業名
受賞理由
(受賞文から要約)
Web得票数
(票数/総数)
会場得票数
(票数/総数)
大賞

株式会社電通
新入社員がパワハラ、長時間労働等で精神的に追い込まれて過労自殺したため。時間外労働は月105時間であった。

また電通は『鬼十則』と呼ぶ社訓があり「殺されても放すな。目的完遂までは・・・」といった精神論がはびこっていたため、パワハラ・セクハラが蔓延している。


電通は過去2度も過労死を出したこと、2015年には本社と電通九州が是正勧告を受けたにも関わらず、今回の過労死者を出した事により受賞


2569票

業界賞

ディスグランデ介護株式会社

(「茶話本舗」FC企業)



40票

業界賞
株式会社プリントパック
新入社員の印刷機巻き込みによる労災死亡事故を「機械の不具合」のよる業務遅延と発表。

その後も過労死ラインを超える月80時間前後の残業をしていた労働者が組合(全印総連ユニオン京・プリントパック京都分会)を結成したが、同社は組合員に対する配置転換、残業時間の長さを会社への貢献度と査定とし、一時金を支給しないなどの組合差別を行った。


同労組が京都府労働委員会に救済を求めた際、2016年7月19日に府労委は、貴社による不当労働行為を認め、賃金や賞与の差額を支払うよう命じた。労働委員会の尋問に対し同社の取締役は「組合員の異動はストライキを回避するための予防措置」「定時に退社することは、会社に対する抗議行動であり、ストライキと一緒である」と述べ敵意を剥き出しにした。


ブラック企業の存在により、公正な雇用が成り立たなくなることに対する警鐘として受賞。


299票

ブラックバイト賞
DWE JAPAN株式会社

(「しゃぶしゃぶ温野菜」FC企業)


学生アルバイトにへの過酷な労働、及び暴力行為。4ヶ月連続勤務、20万以上の自腹購入の強要、退職を願い出た際には懲戒処分になるので就職に影響が出ると脅迫し従業員は辞めることが出来ず単位を全て落とした。ブラックバイトの中で犯罪行為をするなど特に悪質であるため。

暴力行為を行った元従業員は暴行で逮捕され店長と共に略式命令の罰金となった。


-

特別賞

日本郵便株式会社

さいたま新都心郵便局にて勤務していた社員が、上司より自爆営業を強要された上、過労自殺した事件。
5958票

ウェブ投票賞
日本郵便株式会社
5958票

出典:[10]

他に、株式会社エイジス、ドン・キホーテ、関西電力株式会社、佐川急便株式会社、サトレストランシステムズ(現SRSホールディングス)株式会社、宗教法人仁和寺がノミネートされた。



  • 授賞式開催日 - 2016年12月23日

  • 会場 - 在日本韓国YMCA 



2017年













































受賞名
受賞企業名
受賞理由
(受賞文から要約)
Web得票数
(票数/総数)
会場得票数
(票数/総数)
大賞

株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西



特別賞

大成建設株式会社・三信建設工業株式会社



業界賞

新潟市民病院



ブラック研修賞

ゼリア新薬工業株式会社



ウェブ投票賞

日本放送協会

3848票
7票

他に、いなげや、パナソニック、大和ハウス工業、ヤマト運輸がノミネートされた。



  • 授賞式開催日 - 2017年12月23日

  • 会場 - 全水道会館



2018年






































受賞名
受賞企業名
受賞理由
(受賞文から要約)
Web得票数
(票数/総数)
会場得票数
(票数/総数)
大賞

三菱電機株式会社



特別賞

株式会社⽇⽴製作所・株式会社⽇⽴プラントサービス



市民投票賞

財務省



有給ちゃんと取らせま賞

株式会社ジャパンビバレッジ東京




他に、ジャパンビジネスラボ、野村不動産、スルガ銀行、ゴンチャロフ製菓、モンテローザがノミネートされた。



  • 授賞式開催日 - 2018年12月23日

  • 会場 - 全水道会館



出典





  1. ^ “ブラック企業大賞は「ワタミ」か「東電」か 実行委がWEB投票実施中!”. J-CASTニュース. (2012年7月12日). http://www.j-cast.com/2012/07/12139246.html 


  2. ^ “一般投票受付中! ブラック企業の頂点を決める「ブラック企業大賞2012」開催決定 / ノミネート企業も要チェック”. ロケットニュース24. (2012年7月10日). http://rocketnews24.com/2012/07/10/229318/ 


  3. ^ “ブラック企業大賞とは”. ブラック企業大賞. 2012年7月28日閲覧。


  4. ^ ブラック企業大賞2012 大賞・各賞の受賞内容のご報告 ブラック企業大賞 2012年7月31日


  5. ^ 決定!ブラック企業大賞2013 大賞・各賞 ブラック企業大賞 2013年8月11日


  6. ^ 第3回 ブラック企業大賞2014 大賞・各賞を発表いたしました ブラック企業大賞 2014年9月6日 / ノミネート企業11社とノミネート理由 ブラック企業大賞


  7. ^ “ブラック企業大賞受賞記念!「セブン・イレブン」マスコミが書けない恐怖の実態総まとめ! 自殺者続出の原因とは”. リテラ (2015年11月29日). 2015年12月4日閲覧。


  8. ^ “社員に「北朝鮮人帰れ」の張り紙! ブラック企業大賞を攻撃した「アリさん引越社」はブラックどころかヘイト企業だった”. リテラ (2015年12月3日). 2015年12月4日閲覧。


  9. ^ 受賞企業決定! ブラック企業大賞 2015年11月30日


  10. ^ 受賞企業決定! ブラック企業大賞 2016年12月23日




関連項目




  • パブリックアイ賞 - 毎年「最も無責任で社会正義に適わない企業」を選考する賞。この賞の国際版に近い。

  • イグノーベル賞

  • 今年の漢字

  • サラリーマン川柳

  • ブラック企業被害対策弁護団

  • ブラック企業対策プロジェクト

  • ブラックバイト

  • 搾取

  • ホワイト企業

  • 企業犯罪

  • 反面教師

  • ブラックユーモア



外部リンク



  • ブラック企業大賞


  • ブラック企業大賞 (@black_award) - Twitter




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